石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしていますが、今週はどんなお話を聞かせていただけますか?
要:今日は「東京タワー」についてです。
石丸:要さんの東京タワーとの出逢いは?
要:初めて登ったのは、上京した年ですね。今から20年くらい前になるでしょうか。
石丸:今でこそもっと高い建物が建っていますが、20年前だと東京タワーは間違いなく東京のシンボルタワーでしたよね。
要:僕も“東京といえば東京タワーだな”って思ってました。ちょうど六本木辺りでオーディションがあって、その帰りに仲間たちとノリで「東京タワーに登って帰ろうよ!」と言って登ったんです。
ありきたりなんですが、上から見た東京の風景に凄く感動しまして。
いつもは道を歩いていると高い建物があって、ちょっと空が見え難かったり、視界が狭かったりするんですけど、それが東京タワーに登ったら視界がガァーッと開けて、その瞬間“あっ凄い!”と思って。そこから何回か1人でも東京タワーに行くようになリました。
石丸:その頃の要さんはどんな生活をしていたのですか?
要:生活するのにも苦しい日々が続いて、芸能プロダクションに所属するため、オーディションを受けては落ちて…を繰り返しす日々でした。
石丸:えっ! 要さんがですか?
要:僕も悪いんです。アポイントも取らずに履歴書だけ持って事務所へ行って「オーディションをしてくれ」って。飛び込み営業してると門前払いをくらいますよね(笑)。
そうしていると段々とメンタル的にも弱ってきて故郷が恋しくなってくるんですけど、その度に“ダメだ! 僕は俳優になる為に東京に来たんだ!”と自分を奮い立たせる場所、東京を感じられる場所の一つとして東京タワーに登るようになりましたね。
石丸:東京タワーが「自分を見つめ直す場所」の一つになったわけですね。
要:「オーラのある建物」ってありますよね。 国会議事堂やその他のビルも、道を歩いている分には“凄い建物だな”と思っていたけど、上から見たら“大したことないな”と。でも、実際に歴史ある建物や重要な建造物は、上から見てもとっても輝いているな、と思っていて。
“今は埋もれているけど、自分もこういうオーラのある建物にならなくていけないのではないか”って、そんな事を考えています。
石丸:それを確認する為の東京タワーだったのですね。