石丸:今週も、よろしくお願い致します。この番組では人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしておりますが、今日はどんなお話をお聞かせいただけますか?
Toshl(龍玄とし):「愛犬にゃんたろうとの時間」についてです。
石丸:愛犬にゃんたろうって……、猫? 犬?
Toshl(龍玄とし):“紛らわしいわ!”って(笑)。
石丸:犬ですよね?
Toshl(龍玄とし):“犬ちゃん”です。
石丸: Toshl(龍玄とし)さんのインスタにも、可愛いつぶらな瞳のにゃんたろう君が登場していますよね。犬種は?
Toshl(龍玄とし):一応、チワワ…です。
石丸:“一応”とは?
Toshl(龍玄とし):真相がよく分からないんですけど、普通のチワワとは大分違うので。
でも、可愛くてしょうがないんですよ。
石丸:可愛いですよね。いま何歳なんですか?
Toshl(龍玄とし):3〜4歳ですね。
石丸:チワワって、鳴く(吠える)ことが多いじゃないですか?
Toshl(龍玄とし):まったく鳴かないです。ごく稀に、小さく“ワン”くらいです。
石丸:一応、鳴きはするんですね(笑)。
Toshl(龍玄とし):“あっ、鳴けるんだ!”って思ったくらいです(笑)。
石丸:相当可愛がっているような感じなんですけども(笑)。
Toshl(龍玄とし):やっぱり、一緒にいてくれるじゃないですか。人生で初めて犬を飼ったんですけど、本当に大切なパートナーですね。
石丸:そうですか。
Toshl(龍玄とし):絵を描いていたり曲を書いていたり、レコーディングをしたりして何かに没頭していると、どうしても苦しくなったり辛くなったりする時があるじゃないですか。そういう時に、にゃんたろうが居てくれる、と気持ちの切り替えが出来るので、助かっています。
石丸:そういった製作過程の時も近くにいるんですか?
Toshl(龍玄とし):結構うろうろしていますよ!
なんというか“一緒の時間が愛おしい”ですね。
石丸:それは、にゃんたろう君も感じているでしょうね。
Toshl(龍玄とし):感じていると思いますよ(笑)。
石丸:顔色を伺ってきたりしますか?
Toshl(龍玄とし):かなり! でも、プイってするのが好きですからね(笑)。
石丸:どちらがですか?
Toshl(龍玄とし):僕はもう溺愛しているので、にゃんたろう君がです。
石丸:焦らされちゃったりするんですか?
Toshl(龍玄とし):名前が「にゃんたろう」だけに、割と猫っぽいところもあるんですよ。
石丸:そもそもなぜ、「にゃんたろう」って名付けたんですか?
Toshl(龍玄とし):見た目が猫みたいなんです。それに鳴かないじゃないですか。なので一瞬、“猫ちゃんなのかな?”って思う。僕は猫も好きなので。
石丸:シルエットが丸まるしているので、失礼だと思うんですけど、一瞬(にゃんたろう君を見た時に)“ドラえもん?”って思ったんですよね。
Toshl(龍玄とし):ドラえもん(笑)!
石丸:“可愛いなぁ”って僕も思いました。猫っぽいので「にゃん」。「たろう」っていうのはなんですか?
Toshl(龍玄とし):「にゃん」だけだとアレなので、何となく「たろう」。
一同:(笑)。
Toshl(龍玄とし):あんまり深い意味はないんです(笑)。
石丸:今後、どこかにデビューさせたりするんですか?
Toshl(龍玄とし):これまでもテレビには何度か取りあげて頂いたこともあるので、だからもう“タレント犬”ですね。ハンサムだし、ウルウルした目で上目使いも上手いので。
石丸:技、持っているんですね(笑)。
Toshl(龍玄とし):持っているんです(笑)。
石丸:コスチュームはToshl(龍玄とし)さんが自ら選んで?
Toshl(龍玄とし):僕が自ら選んだ物もありますし、ファンの方に頂く物もあります。ハードなヘビメタ仕様の革ジャンから可愛いお嬢様っぽいフリフリのフリルの付いたお衣装まで。次から次へ着せ替えをして遊んでいるので、本人(犬)は迷惑だと思います(笑)。
石丸:手作りはされないんですか?
Toshl(龍玄とし):まだそこまではいってないですね。刺繍に凝ったこともあるし、裁縫も別に嫌いではないのですが、今はちょっと集中する時間がないので。でも、ミシンは買おうとミシン売り場をウロウロしています。
石丸:本当ですか? じゃあもうすぐ出来ますよ(笑)。
Toshl(龍玄とし):ミシンにはハマりかけたので、“ロックミシンまでいっちゃおうかな?”って思ってます。まだ買ってはいないですけど(笑)。
石丸:さて、 Toshl(龍玄とし)さんは昨年カヴァーアルバム『IM A SINGER VOL. 2』をリリースされましたよね。僕はとりわけ「ボヘミアン・ラプソディ」に感動したのですが、この曲は以前に私の番組でも歌って頂きました。あそこまで完璧に歌う人って目の前で見たことがなかったんです。素晴らしいですね。
Toshl(龍玄とし):僕が小学生の時にQUEENを聴いていて、近所のお兄ちゃんに「Toshl君、フレディの声に似ているからロックのボーカルをやりなよ」って言われた事が、この仕事に入るきっかけのひとつだったんです。そういった意味で、きっかけとなった楽曲を何十年か越しに自分で全部声を入れて作ることが出来るなんて、本当に幸せでした。
石丸:ご本人達も中々演奏をされなかったと伺っている「ボヘミアン・ラプソディ」を、ここまで歌える人はいないと思うんですよ。
レコーディングも大変だったと思うんですけど、Toshl(龍玄とし)さんも彼らのように色んな音にこだわりながら、この曲をアルバムに残されたんですか?
Toshl(龍玄とし):とにかくコーラスとかが凄い数入っているので、“どういう風にメロディを歌っているんだろう”と、曲を分析したんです。そこで思ったのは、“フレディは天才だ!”と。当時のレコーディングはアナログの時代ですから、それでこの多重録音を良くぞやったな、と思いましたね。
石丸:僕らは完成した音でしか聴いてないじゃないですか。曲を分解した結果、そうなっていたんですね。
Toshl(龍玄とし):一音一音をアレンジャーの方と一緒に精査したところ、凄く微妙なラインで作っていることが分かったんですよ。しかも、そのメロディラインの複雑さが絶妙に噛み合って、ひとつの音になると美しいハーモニーになる。
ハーモニーだけで100トラックくらい録ったと思うんですね。ダブルで重ねたりトリプルで重ねたり、色んな旋律があるので、ハーモニーもあるし合唱の部分もあるしオペラティックの部分もあるしロックなところもあって、歌いがいがありましたね。
石丸:カバーアルバムを作ったきっかけを聞かせてもらえますか?
Toshl(龍玄とし):色んな音楽番組で「カバーの楽曲を歌ってください」というオファーが結構続きまして。松田聖子さんの「青い珊瑚礁」を歌ってみたり、「およげたいやきくん」を歌ってみたり、自分が子供の頃に聴いた曲や歌っていた曲をテレビでこうして歌わせて頂けるなんて、本当に幸せなことだなと。日本の名曲とか、歌い継いでいきたい曲が沢山あるなって思ったんです。
そういう風に歌っているうちに、「カバーアルバムどうですか?」というお話をレコード会社さんから頂いたので、「一回やってみましょう!」となったのが経緯ですね。
石丸:Toshl(龍玄とし)さんが子供の頃から親しんできた色んな曲が、このアルバムには盛り込まれているということですね。
Toshl(龍玄とし):そうですね。自分が子供の頃から聴いてきた曲。僕はまだ知らないけれど皆さんに愛されている曲、つまり新しい曲ですね。そういう曲も含めて、“それも新しいチャレンジなのでやってみよう!”と思って、レコーディングしました。
石丸:カバーでは男性が女性の曲を歌う事も多いですけど、Toshl(龍玄とし)さんのカバーアルバムにも女性アーティストの曲も沢山あるじゃないですか。どういう思いで曲と向き合いましたか?
Toshl(龍玄とし):曲によって違いますけど、例えば松田聖子さんの「赤いスイートピー」、これは僕が高校生ぐらいの時の曲なんですね。この曲を聴くと、“当時ピアノを弾くようになって「赤いスイートピー」のイントロのフレーズを練習したな”とか、青春の頃の甘い恋の思い出とかが、どうしても曲と共に蘇ってくる。僕がそうなんだから、きっと聴いている方も。
石丸:確かにね。
Toshl(龍玄とし):時代を超えて、もしかしたら今の方が聴いても何か情景とか心の大切なところに響くような、そんな楽曲ってきっと沢山あるんだろうなと思って。男女を問わず、自分が馴染んだ曲もそうでない曲も色々と積極的に聴いたり調べたりして、作っていきましたね。
石丸:今までロックを歌ってきたToshl(龍玄とし)さんの声で、こういう曲が聴けるなんて、なんだか夢のようなんですよ。ましてや、そこにToshl(龍玄とし)さんの色々とあった過去の思いが込められているというのが分かると、より愛おしく思いますよね。
Toshl(龍玄とし):ありがとうございます。自分がそういう歌を歌えるというこの環境が、嬉しく尊いですね。
石丸:今回のアルバムは『IM A SINGER VOL. 2』ですけど、『IM A SINGER VOL. 3』も期待して良いかもしれませんね。
Toshl(龍玄とし):そうですね。出来たらまた色んなことにチャレンジしたいですね。