石丸:田村淳さん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。このサロンでは、人生で大切にしている“もの”や“こと”についてお伺いしております。さあ、今日はどんなお話をお聞かせいただけますでしょうか。
田村:今日は「公園の轍(わだち)」についてです。
石丸:「公園の轍」? この言葉だけ聞いてもピンと来ないですが…。
田村:そうですよね。公園って、自由に歩き回って良い場所じゃないですか。
石丸:そうですね。
田村:緑の草が生えている公園でも、“人が通った後の轍”って必ず出来ていて、公園によってその轍の出来方が違うんです。
“何でこの公園はこんな形の轍なんだろう”とか、“ここを通り抜けるのが一番楽だからこの轍が出来たのかなぁ”とか、その轍を見ながら色々と考えるのが好きで。
石丸:それって、この間お話ししていた「通ったことのない道を歩く」という話にも通じてますね。
田村:通じてます。分かりやすそうな「雪」で例えると、僕は誰かが踏み荒らした所よりも、誰も踏んでいない雪の上を歩いていく方が好きなんですよね。その方が自分しか知らない新しい道を歩いているような気がして。
公園の轍は、“誰かが通ったことがある道だから通りやすい”と思ってみんなが通るから出来るのかとか、どういう心理状態で人が通って轍が出来ていったのかを考えるのが楽しいんです。
石丸:そこに注目することって中々ないんですけど、確かに言われてみるとそうですよね。
田村:轍が出来る理由って、きっと公園毎に違うはずなんです。そう考え出したら、国によっても公園の轍の出来方が違うんじゃないかなと思い始めて、“次は海外に行った時に公園の轍を見に行きたいな”って欲求が出てくる感じです。
石丸:そこで何か知ったり、納得出来たこととかってありますか?
田村:公園を作った人は、わざわざ舗装された道を作るじゃないですか。
石丸:そうですね。
田村:だけど、「それよりもこっち側を通った方が早いじゃん」って轍が出来るパターンの国は、すごく合理的な国だと思うんですよね。
石丸:国民性も現れているのかな。
田村:そうじゃないかなと思うんです。“日本はどうなんだろう”って考えてみると、“人が歩いた道だからここは安全だ”と思って歩いてるような気がするんですよね。
石丸:そうですね。
田村:でも本当は、どう歩いても良い公園の場合は、自由に道が出来て良いと思うんですよね。
石丸:そうですよね。
田村:(だから轍は)何か不思議だなぁと思うんですよね。
石丸:ちょっと話は飛びますけれども、Instagramで「土地を探しています。大人の秘密基地を建てたくて!」という投稿がありました。これはどういうことなのか、ちょっと教えてください。
田村:山口県の下関って所で生まれたんですけど、そこに18年住んで、東京に20年以上…30年なのかな? 住んでいるので、“違う土地に住みたいな”と思うんですよね。
石丸:どこか良い所はありましたか?
田村:もう決めてるんですよね。福岡県の那珂川市ですね。
石丸:(福岡)空港のちょっと南の方?
田村:そうです。新幹線は博多駅で止まるんですけど、(その次に)博多南駅っていうのがあって。
石丸:ありますね。
田村:そこが那珂川市なんですよ。そこに新幹線の修理や点検をするための停留所みたいな所があって、那珂川市民だけは博多南まで300円で乗れるんですよ。
石丸:あの新幹線の車両で、運んでもらえる?
田村:運んでもらえるんですよ。博多〜博多南間を300円で8分ぐらいで移動出来るんで、田舎なんですけど都会へ(簡単に)アクセス出来るし、飛行場まで車で20分ぐらいで行けるんです。なのに、那珂川市には川と山と大自然が詰まっていて、しかも人口がどんどん増えていってる市なので、街に活気があるんですよ。
石丸:ほう。その街に出会ったのはいつ頃なんですか。
田村:3〜4年前くらいかな。
石丸:直接、そちらに足を向けたんですか。
田村:はい。僕が福岡でレギュラー番組をやってた時に、福岡って街自体が本当に好きなんで、「福岡で土地を探したい」っていうロケをしてたんですね。(九州朝日放送「ロンプク☆淳」 2021年3月終了)
石丸:そうなんですね。
田村:その時に那珂川に出会って。ここが一番、人も温かいし。
石丸:じゃあ、第3の住処はそこになりますか?
田村:なると思います。「アナザースカイII」って日本テレビの有名な番組でも、「これが僕のアナザースカイです」って紹介したくらいの街なので。
石丸:そうなんですね。ご家族はその那珂川に「じゃあ一緒に行きましょう」という気持ちに?
田村:僕の奥さんは東京生まれ東京育ちなんで、最初はちょっと困惑してたんです。だけど、1回連れて行くと気持ちが変わっていくものですよね。
石丸:やっぱり良さを共有出来るんですね。
田村:「まるまる引っ越そうぜ」じゃなくて、「二拠点生活」というのをやりたいんですよね。東京には東京の良さがあって、福岡には福岡の良さがあるから。それで、もう一拠点欲しいなと思うんですよね。海外だと楽しそうだなぁと。
石丸:海外ですか!
田村:娘の成長と共に、娘が興味を持った国に一緒に行って過ごすことが出来たらいいなぁと思うんですよね。
石丸:じゃあ、今、淳さんの中ではどこら辺のイメージが湧いていますか?
田村:娘が興味を持てば、インドネシアとか…。でも普通に留学先を考えたら、アメリカとかイギリスとかになってしまいがちじゃないですか。アメリカだったとしても、なかなか行かないようなすごい田舎の州とかに行ってみたいですね。
石丸:それは“知らない所に行きたい”という淳さんの想いがそこに繋がっていますよね。
田村:それか、大きなキャンピングカーでずっと移動しながら生活するっていうのにも憧れているんです。それこそ「拠点が車」っていう。
石丸:それがある意味「秘密基地」になるんですかね。
田村:そうですね。
石丸:ワクワクしますね。
田村:そうなんですよ。今からの方が、やりたいことの実現可能度合いが高くなってきているので。今まで仕事で頑張ってきた分を、仕事をセーブするまではいかないけれど、ワクワクドキドキの方に時間を費やすっていうのを人生でやっていきたいなと思いますね。