石丸:古川雄大さん、これから4週にわたりどうぞよろしくお願いいたします。
古川:よろしくお願いします。
石丸:というか、久しぶりだよね。
古川:お久しぶりです。嬉しいです。
石丸:こちらこそ。「雄大さん」ではなく、いつもの通り「雄大」と呼ばせてもらって良いですか?
古川:お願いします。
石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“もの”や“こと”についてお伺いしておりますが、さあ、今日はどんなお話をお聞かせくださいますか。
古川:今日は「時間」について。
石丸:時間。なぜ大切なんですか?
古川:時間って限りがあるじゃないですか。それは当たり前に分かっていることなんですけど、僕も今、35(歳)になりまして。
石丸:え! もうそんなになるの。
古川:そうなんです(笑)。石丸さんとミュージカル『エリザベート』で初めてご一緒させていただいた時は、24とかでした。
石丸:そうでしたね。もう大人ですね。
古川:大人になりました(笑)。出会った時はあんまり感じなかったんですけど、30歳を迎えると年々時間が経つのが早く感じてきて、“(時間には)限りがあるんだな”ということを実感するようになってきたんです。そうなってくると“時間の過ごし方をちゃんと大切にしたいな”と思うようになりました。
石丸:どんなことを大切にしたいですか。
古川:今までは、自分を着飾るための洋服とかアクセサリーとかそういうものにお金を使っていたんですけど、今は、友達と過ごす思い出のためにお金を使ったりとか…。だから、お金の使い方が変わってきました。
石丸:そうなんだね。
古川:“美味しいもの食べる”とかそういうことにお金を使って、“物じゃなくても(良いから)思い出になるものを増やしていきたい”と30(歳)を超えてから思うようになりました。
石丸:じゃあ、物欲は無くなった?
古川:ほぼ無くなりました。
石丸:すごいなあ。今は人との時間や思い出になるようなものにお金と時間をかけているということかな。
古川:そうですね。
石丸:それって大事なことだと思うんだよね。大人になると、心に残っていくもの、溜まっていくものが糧になって、人生を豊かなものにしてくれると思うんだ。
でも、時間というものはどうにでも使えるじゃないですか。例えば毎日ルーティンを決めて、“これは絶対にする”ということがあったら聞かせて欲しいんだけど。
古川:毎日のルーティンですか…休みの日とかは「ジムに行く」というのは決まり事としてあって。あと、寝る前のストレッチを欠かさないようにしているっていうくらいですかね。あとはそんなに大きな決まり事は無いんですけど、その2つは欠かさず。
石丸:商売道具は身体だからね。
古川:そうですね。元々すごく細いので、ジムは基本的な身体作りみたいなものを目標にしていて。
石丸:そうだったね。今でもスマートなんだけど。
古川:もうちょっと体を大きくしたくてジムに通っています。寝る前のストレッチは…(この年齢になって)翌日に疲れが残るようになっちゃったんですよ。
石丸:大人になったね(笑)。
古川:そうなんです(笑)。それがストレッチすることによって無くなったので、寝る前のストレッチを欠かさないようにしているんです。
石丸:話は変わりますが、雄大はダンサーとしていろんなところで踊っていたと聞いていますが、ダンス経験はいつ頃から?
古川:ダンスは14歳から習い始めました。
石丸:きっかけは?
古川:きっかけはテレビです。テレビでカッコ良く踊っている人に憧れて、電話帳で調べて。
石丸:電話帳で調べた?
古川:そうなんです。知識が無かったので、とりあえず電話帳を見て「ダンス」って調べて「ジャズダンス」って書いてあったんで、“ここだ!”と思って入って。
石丸:雄大が14歳の時は、まだインターネットがそんなに無い頃?
古川:ありましたけど、家ではそんなに使ってなかったです。だから電話帳で調べて。
石丸:じゃあ、ご近所のダンススタジオを探して?
古川:そうですね。1番近いところでも車で1時間くらいかかるところだったんですけど、そこに母親と一緒に見学に行って。
石丸:14歳の時に?
古川:そうです。見学をして“入ってみたいな”と思ったので、その時から習い始めて、ジャズダンスとクラシックバレエを5年ほど習いました。
石丸:みっちりやったね。
古川:そうですね。そこから18歳の時にダンスの仕事を1年間させていただきました。
石丸:ジャズダンスとクラシックバレエと言ったら、僕らの時代はそれがベースで1番基礎的な必要なものなんだよね。(東京へ)出てきて、そこで踊ってみてどうでした?
古川:“ジャズとバレエをやっていて良かったな”と心から思いました。舞台をやる上でもすごく活きると言うか。で、僕が習い始めた時って、ヒップホップとかブレイクダンスが流行り始めた時期だったので、正直、本当はそっちをやりたかったんです。
石丸:そうなんだ。
古川:知識が無かったので、ジャズダンスに間違えて入っちゃったんです。“これがいわゆるヒップホップなんだ”と思って入ったら、“あれ、ちょっと違うぞ”と思いながら続けてたんです。
でも今振り返ると、ジャズとバレエをやっていたお陰で舞台の立ち方や身のこなしとかにすごく活きているなと思うので、“間違えて良かったな”と思ってます。
石丸:そこで(今の)雄大は作られた、と。それ以前は、踊りとかはやっていたの?
古川:全くやってなかったです。
石丸:どんな少年だったんですか。
古川:野球ばっかりやっていましたね。父親が野球の監督だったので、半ば強制的に野球をやらされていたんですけど、だんだん楽しくなって自分で野球をやるようになったんです。ずっと野球少年で、ダンスとは無縁の人間でした。
石丸:でも、テレビを観て“踊りたい”と思って習いに行くって、結構積極的な少年だったと思うね。
古川:当時は、今以上にすごくハングリーでしたね。元々芸能界にすごく憧れがあったので。長野県の田舎に生まれて、何かしら自分で行動を起こさないと近づくことが出来ないから、今以上にハングリーで、すごくアンテナを張っていた気がします。
石丸:聞くところによると、そんな中で作曲したり、歌も歌ったりしていたそうですが、これも長野でやっていたんですか。
古川:長野でやってました。今も舞台で活躍している中河内雅貴くんという先輩がいるんですけど、その雅くんと同じダンススクールで出会ったんです。
石丸:本当? それで一緒にデュオを?
古川:「曲を作ろうぜ」みたいなところから始まって。それで僕がギターを弾けたんで、「曲を書きます。じゃあ歌詞をお願いします」って言って。
石丸:すごいじゃん。
古川:それで路上ライブを1回やったんですけど、誰も立ち止まらなかったですね(笑)。
石丸:(笑)。
古川:駅の東口と西口があるんですけど、西口ではいっぱい人が通るのに東口でやっちゃったんですよね。まだ、ちょっと照れがあったんだと思うんです。
石丸:まず東口でやって手応えがあったら西口へ行こうかと。
古川:というような思いだったんですけど、1回しかやらずに東口で終わってしまって。
でもすごく良い思い出でした。それから雅くんと一緒にCDを出すことが出来て、当時作った曲が形になるという、とても良い恵まれた体験をさせていただきました。
石丸:そうだね。そんな雄大は俳優でデビューしたけれど、“これ(俳優)を一生やっていこう”って思った?
古川:当時は決意は無かったですね。今でも一生やっていくのかっていうことについては「ハテナ?」ですけど。
石丸:それは僕もそうなんだけどね。
古川:石丸さんもそうですか。
石丸:迷いながら毎回“これで最後かもな”と思ったりしながらやってますよ。
古川:そうなんですね。
石丸:俳優としてデビューして、“また次に何かやりたいな”って気持ちはそこで芽生えた?
古川:芽生えました。すごく楽しいですし、やりがいがありますけど、本当に簡単なことじゃないので、悔しい思いもしながら今あがいている感じです。
石丸:立派な俳優ですね。
古川:ありがとうございます。