もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」。

秋晴れの空の下、高松港から、高松海上タクシーさんの船に乗って、出航しました。秋の太陽は眩しく温かで、知花くららさんは小さなデッキの椅子に座って、短い船旅を楽しみます。今日向かっているのは、豊島。高松港から海上タクシーで40分ほど。香川県の島ですが、海の向こうに岡山県を望みます。

森島さんが最初に知花くららさんを案内した場所は、豊島の最高峰、壇山の山頂――

静かな内海、ぽこぽこと浮かぶように点在する島々、彼方には瀬戸大橋も見えます。

思わず息を呑む美しさ……。
森島さんは眼下の風景を「多島美」と呼びました。

あまりに美しいので、知花くららさん、島をひとつ「お持ち帰り」！

行き交う船。瀬戸内海は古くから旅の道、船の道でした。一見、穏やかで静かな内海ですが、その潮の流れは複雑と言われ、ときに船は、各地の港町や島に留まり、良い潮を待つこともありました。瀬戸内各地そして島々に「潮待ちの港」がいくつもある由縁です。

たっぷり多島美の眺めを堪能した知花くららさん。山から下りて、お昼ごはんへ。集落を歩いて森島さんが連れていってくれたのは、「食堂101号室」。

大阪に暮らしていた長屋諒子さんが、豊島に移住して開いた店、「食堂101号室」。島でとれたものにこだわった長屋さん流の家庭料理です。「食べることは生きること。大切な時間とエネルギーを共有して、一緒に何かプラスになれたら」と長屋さんは語ります。「一度、島という場所に住んでみたかったんです」。

昼の「きらめきランチセット」をいただきました。

デザート、スイーツも、美味！

長屋諒子さん、美味しいお昼ごはん、貴重なお時間とおはなしを、ありがとうございました！
また食べに行きます！