NAGOMI Setouchi

2019
04/27

瀬戸内国際芸術祭2019
Setouchi Triennale 2019
「瀬戸芸の舞台へ〜小豆島編その②」

もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」

4月26日から始まる「瀬戸内国際芸術祭2019」。その舞台となる島々、街や集落へも、「NAGOMI Setouchi」では、これまで旅をしてきました。今月は、間もなく開幕する瀬戸芸に向けて、過去に訪れた旅を振り返っています。今週は、小豆島への旅を振り返ります。バンドネオン奏者、小松亮太さんの旅。

「瀬戸内国際芸術祭2019」の舞台のひとつ、小豆島。高松港と小豆島は、いくつかのフェリーで結ばれています。乗船時間は1時間ほど。すぐ近くです。

車ごと乗れる大きなフェリーは、ゆったり悠々と内海を滑るように進みます。

小豆島に着いて、船から降りた瞬間に、醤油の香りが鼻孔をつきます。小松亮太さんは言います、「フランス、パリの、シャルル・ド・ゴール空港に着くと、飛行機を降りて、ターミナルビルに入った瞬間に、バターの香りがする。それは、パリの香りなんだ。それと同じように、小豆島に船が着いて、港に降りて少し歩くと、すぐどこからか、醤油の匂いが漂ってくる。この醤油の匂いが、小豆島の香りだよね」
小松さんがやって来たのは、「金両醤油」
「金両醤油」

おはなしを聞かせてくださった、金両醤油の5代目、
生まれも育ちも小豆島という、藤井寿美子さん。

醤油造りの、蔵の中。

あらゆる場所に、酵母がいます……

酵母は生きています。動き、呼吸し、音も聞こえます……
400年の歴史を刻む小豆島の醤油は、伝統ある「木桶仕込み醤油」。島の中には現在、およそ20軒の醤油蔵があり、1千本以上の木桶が、残されているそうです。それぞれの蔵に棲息する醤油酵母などの微生物が、蔵ごとの個性を引き出し、それぞれの蔵で、独自の美味なる醤油を生んでいます。

小豆島、「金両醤油」の原点は江戸時代中期。塩を作り、回船問屋を営んでいた先祖は、明治に入ると、醤油造りを始めたそうです。

金両醤油の5代目、藤井寿美子さん、こう語りました。「香ばしい醤油の香りに包まれた蔵や倉庫、そのすべてが、私の原風景です。幼い頃からこの香りの中で育ちました。5歳の頃、私はこう言ったんです、『わたし、お醤油屋さんになるんだ』……! そう、幼い頃もう、心にそう決めていたんです。落ち込んだり、悩んだりしたときは、蔵へ入り、醤油の香りに包まれていると、しだいに、心が落ち着いてきます。私の願いは、私たちが考えるごく当たり前のお醤油を、ひとりでも多くの方に味わっていただくこと・・・」

ショップもあります。お土産をたくさん買いました。

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