NAGOMI Setouchi

2019
05/25

瀬戸内国際芸術祭2019
Setouchi Triennale 2019
「沙弥島、フードクラブ」

もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」

「瀬戸内国際芸術祭2019」開催中です。スペシャル・ナビゲーターの前田エマさん、高松から車で北へ走り、沙弥島へやって来ました。こちらは、五十嵐靖晃氏の作品「そらあみ<島巡り>」。沙弥島、瀬居島、与島、岩黒島、櫃石島という5つの島で、漁師や島の人たちと漁網を編むワークショップを開催して、制作。
「瀬戸内国際芸術祭2019」

沙弥島は、瀬戸大橋のたもとにあります。島と呼びますが、埋め立てられ、今では四国本島と道で繋がっています。それでも、浜辺に行くと、かつての島の面影を色濃く感じます。

旧沙弥小・中学校の校舎が、瀬戸芸の舞台になっています。

前田エマさんがやって来たのは、「フードクラブ」。ドイツ育ちのイラン人アーティスト、アナヒタ・ラズミさんの作品。参加型のインスタレーション。ヴィジュアル・アーティストとして活躍するラズミさんは、2か月以上香川県に滞在し、何度もここへ来て、今回の作品をクリエイトしました。

まるで、理科の実験室のような、「フードクラブ」。コンセプトは・・・
日本でイランからの移民たちが新しい文化を作っていたら?そんな仮定のもと、彼らが発明したかもしれない「日本+イラン食」を制作することが、ラズミさんのミッション。地元の人たちも参加して開発したレシピをベースに、イランの食材や素材とともに展示、公開制作。

黒板には、「フードクラブの理念」が書かれています。

アナヒタ・ラズミさんと、前田エマさん。
「フードクラブ」の正式ユニフォーム姿で。

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