映画館を復活させた夫婦をリサーチせよ
切替 義典さん、桂さん
秋田県 大館市
御成座は1952年に洋画専門のロードショウ館としてオープン。2005年に閉館するまで市民に親しまれてきました。でも、義典さんは廃墟だから安く借りられるだろうと思い選んだだけで、そこが「最後の映画館」だということを知りませんでした。知ったのは契約後。実は大の映画好きの義典さんは、それならプライベートシアターにしようと荒れ果てた劇場の修復に乗り出します。すると、近隣の人や通りがかりの人がひっきりなしにやって来るようになりました。「またオープンするの?」「いつ開館するの?」と。当初、営業しようとは露程も思っていなかった義典さんでしたが、街の人たちの関心の高さに心が動き始めます。そして、商店街の年配の店主たちが訪れ、オープンするなら協力すると言われたことで営業を決心。地元の映画好きサークルのメンバー、多くの事業者、商店街の人たちの協力を得て、1年で復活に漕ぎ着けたのです。
桂さんに「御成座」のことが報告されたのは営業を決めた事後。桂さんは去年の七夕、7月7日に大館にお子さんとともに移住してきて、11日後の7月18日に御成座は復活。許可が降りたのは前日の17日だったそうです。御成座がオープンすると義典さんは本業が忙しくなり、営業の責任の比重は桂さんに。それでも多くの協力を得ながら、無事に1周年を迎えました。おめでとうございます。
まるで映画のセットのような昭和の雰囲気を残した外観(看板は地元ボランティアによる懐かしの手書き!)内装、スクリーン、上映される作品はフィルムによるもの。昔からの映画好きには、ずっとそこにい続けたくなる、そんな場所です。上映は基本的に金・土・日の3日間。3分の1は県外のお客さんとのこと。やはり大の映画ファンたちは応援したくて仕方ないのだと思います。
1周年記念作品として上映されたのはジュゼッペ・トルナトーレ監督『ニューシネマ・パラダイス』。ルーシーは特別に上映してもらいました。御成座の物語と映画の物語が交差して、それは感動的だったことでしょう。
==================
御成座
大館市御成町1-11-22
TEL 0186-59-4974
http://onariza.oodate.or.jp/
さまざまな写真や様子が見られるHonda Smile Mission 番組Facebookページはこちら
http://www.facebook.com/HondaSmileMission