古民家の再生に取り組む宮大工の棟梁をリサーチせよ
大室幸司さん
青森県 青森市
現在も住宅として使われている築113年の家です。
家主の加賀谷さんは、家を改築しようと、工務店に依頼しましたが
「うちではできないので、他をあたってください」と断られ、
4軒目でようたく大室建築と出会いました。
大室建築の大室幸司さんはその依頼を快諾し、
およそ1年かけて、現在の生活様式にマッチした
住みやすい古民家にリフォームしました。
その居心地の良い素敵な古民家で、大室さんにお話しを伺いました。
古民家とは「築50年たった木造の建物」を指します。
現在の主流となった在来工法、日本の昔ながらの伝統工法、
どちらも50年たてば古民家です。
大室さんが特に「これからの日本に大切だ」と感じているのは
伝統工法でたてられた日本古来の古民家。
柱、屋根、壁、床の建築技法、さらには、土間で餅つきをしたり、
釜でご飯を炊いたり、いろりで鍋を作ったり、建物のすべてに日本の伝統が刻まれています。
しかし、青森だけでも4万棟残っている古民家。実は放置古民家も多く、
常に解体の危機にあるといいます。
行政は空き家対策に補助金を出していますが、
利活用するための補助金はありません。
壊すばかりでは伝統が失われてしまいます。
暮らしの伝統、建築の伝統を残し、未来に伝えるため
古民家を引き継いでいく必要がある。
そう感じた大室さんは、古民家鑑定士の資格をとり、700項目にのぼる項目で
古民家を鑑定し、リフォームの指針を作ったり、
止むを得ず解体することになった古民家の資材を鑑定し、再利用をしています。
一番大切なのは、伝統工法の古民家は、伝統工法で改築すること。
簡単に在来工法でリフォームすると、建物の強度が落ちるなど問題が生じます。
そのためには、伝統工法の技術者(左官、屋根職人、宮大工)を守ることも重要。
大室さんは青森古民家再生協会を立ち上げ、こうした活動も行っています。
青森古民家再生協会は、古民家に関するあらゆる相談窓口となっています。
子供の頃から、神社やお寺を造る宮大工の祖父や父の背中を見てきた大室さん。
9代目となり、これからは“伝統を守り未来に引き継ぐ”という大きな役目を果たしていきます!
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古民家に関する問い合わせ
青森古民家再生協会
http://www.kominka-aomori.com/
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