名物 田老かりんとうをつくる社長をリサーチせよ!
田中菓子舗 社長 田中 和七さん
岩手県 宮古市
今年3月の東北復興リサーチ。
ルーシーは岩手県山田町の「鯨と海の科学館」を訪れました。
そして、湊館長から「田老かりんとう」というお菓子を戴きました。
初めて知った「田老かりんとう」。
一般的なかりんとうとは、ずいぶん違います。
煎餅がねじれたような形。濃い茶色と薄い茶色の渦模様。
口にすると黒糖の上品な甘さとちょっとした塩味。
美味しさに驚き、ルーシーは多くの人に知らせたものでした。
今日、プチェコで向かったのは宮古市田老にある田中菓子舗。
その「田老かりんとう」を作っている会社です。
ルーシーは大喜びで田中和七社長とお会いしました
昔から田老には、ねじれたかりんとうがあったといいます。
田中菓子舗も1923年の創業からこの商品を作っていました。
ただ、日持ちをさせるためにかなり固いものだったとか。
それを田中社長のお母さんが改良。
子供やお年寄りが食べられるぐらいの固さの商品にしたのです。
田老地域は一服の習慣があるところ。
やがて、田中菓子舗の田老かりんとうは茶菓子の定番になりました。
湊館長は一服の時に持ち寄るようにルーシーに下さったのでしょう。
地元以外の人の間では、土産物として知られる存在になりました。
実は田中菓子舗、東日本大震災で大きな被害を受けました。
同じ敷地内にあった自宅・店舗・工場は津波で全て流されてしまったのです。
昭和初期の津波でも被災した田老。
創業者の祖父や両親がそれを乗り越えたという話を聞いてきた田中さん。
自分も、菓子舗を立て直そうとご家族に相談。
家族も同意し、何もなくなったところから再起を目指してきました。
まず、とりかかったのが工場の再建。従業員の生活を考えてのことです。
操業が再開できたのは2年後でしたが、社員は他に就職せず待っていてくれました。
全てが流されてしまったのでレシピや製造法も失われました。
記憶と経験で、かつての味を取り戻すしかありません。
しかし、設備も環境も以前と違う現実。
工場を再開しても、すぐにはかつての味にはなりません。
お客さんに、そのことを指摘されることもありました。
それも、長年愛した「田老かりんとう」の味を取り戻してほしいからでしょう。
田中さんは毎日データをとり、試行錯誤を重ね、味を取り戻せたのは半年後。
お客さんに昔の味だと声をかけられた時は本当に嬉しかったそうです。
今では製造も再び軌道に乗りました。
この食文化を残したいと若い社員も2人入ったそうです。
そんな彼らと地元の名産と褒められるものを作れるのは嬉しいと田中さん。
とびきり美味しいお菓子に隠された物語にいたく感動するルーシーでした。
甘いもの好きな皆さん。
「田老かりんとう」、いちど食べてみてください!
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田中菓子舗
岩手県宮古市田老一丁目13-6
TEL & FAX 0193(65)8707
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