倉敷薄荷を立ち上げたレコード店のオーナーをリサーチせよ!
レコード店グリーンハウス オーナー 中村 泰典さん
岡山県 倉敷市
日本に自生するミント、薄荷。
ミントに比べてメンソール成分が強く
昔は主に薬に使われていました。
かつて岡山県は薄荷の一大産地。
倉敷にも薄荷畑が広がっていたそうです。
その風景を現代に甦らせようと活動をはじめたのが
レコード店グリーンハウスのオーナー中村泰典さん。
倉敷薄荷直売所でお話しを伺いました。
倉敷薄荷と他の薄荷油の違いは香りのやわらかさ。
その理由は、倉敷だけの特別な品種「秀美(しゅうび)」を
使っているからです。
その秀美について中村さんが長い歴史を教えてくれました。
戦前、薄荷油生産の世界一位は日本でした。
中でも、北海道に次いで岡山県の生産量は全国2位。
この2ヶ所には薄荷研究所があったため、生産が盛んでした。
しかし、戦争がはじまり薄荷油の輸出がストップ。
戦後再開したものの、インドやブラジル、中国の薄荷が
使われるようになり、日本の薄荷は忘れられてしまいました。
倉敷では薄荷畑がなくなっていったのです。
そんな中でも倉敷の薄荷研究所では
新しい品種が誕生していました。それが「秀美」です。
しかし、薄荷畑が消滅してしまったため栽培されることなく
40年間保管されたままになっていました。
その「秀美」の歴史を知り、探し出し、栽培をはじめたのが
中村さん率いる仲間達。
もともと倉敷の休耕田を活用するために集まった仲間ですが
秀美の存在を知り、休耕田で薄荷の栽培をはじめるため
あちこち走り回り、現在では3つの畑で栽培されています。
それにしても…中村さんは音楽好きのレコード屋さん…ですよね?
何故休耕田対策を?何故薄荷を?と疑問が残ります。
中村さんは音楽好きが高じて
コミュニティラジオ「エフエムくらしき」を立ち上げました。
音楽だけでなく、倉敷の情報を伝えていうちに
街の未来を考えるようになり、倉敷の景観保全や町家活用を
目指したNPO法人や倉敷まちづくりネットワークを立ち上げ、
活動の幅を広げていました。
休耕田対策はその活動の一環です。
中村さんが倉敷の薄荷と出会ったのは、
自家栽培している畑でした。
日本の在来種の野菜を育てているまわりに
洋種のハーブを植えていたところ、
知り合いのおばあさんが通りかかり
「野菜は日本のものなのに、
どうしてハーブは外国のものなのか?」
と怒られたとか…。
実はそのおばあさんは、薄荷研究所で最後まで
薄荷の研究を行っていた人と知り合いで
倉敷の特別な品種のことを知っていたのです。
そうして中村さん達は倉敷の薄荷の歴史を知ることになり
倉敷薄荷を生み出す活動をはじめました。
この薄荷直売所には、昔の薄荷畑を知っている世代が
50年前の薄荷油を持って話しに来ることもあるとか。
畑のすぐそばで蒸留して出来た薄荷油は
主にアメリカに輸出され、「メンソレータム」の
成分に使われていたんだそうです。あの「メンタム」が
日本の薄荷で出来ていたのですね。
純倉敷産の倉敷薄荷、是非その香りを
いつか試してみてください。
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倉敷薄荷
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