モンゴル料理に人生をかける店主をリサーチせよ
藤原 範稔さん
大阪府 大阪市
「こぺん」は、2010年にオープンしたモンゴル家庭料理のお店です。店内はモンゴル民族の移動式住居「ゲル」をイメージし、天井の骨組みや格子状の内壁を再現しています。モンゴル料理では5つの家畜、馬、ラクダ、羊、ヤギ、牛を主にした料理が作られるそうです。中でも羊を使った料理を好んで食べられているとのこと。ルーシーが頂いたのは、草原のおもてなし料理の“ホルホグ”。ぶつ切りの肉と、ジャガイモ、ニンジン、少量の水と岩塩、それに焼き石を入れて密閉し、下からも炙って蒸し焼きにしたもの。肉はとろけるほどにやわらかく、野菜はホクホク。羊肉の旨味たっぷりのスープも格別の味です。藤原さんが最もこだわるのは“懐かしい味”。日本で生活するモンゴル出身者たちが、食べて母国を懐かしんでくれる味を目指しているとのこと。直接、モンゴルの人に教えてもらって、その味を作っているそうですが、同じ材料を同じ方法で調理しても、本場の味はなかなか再現できないそうです。メニューにするのに2年や3年かかった料理もあるそうです。しかし藤原さんは、民族料理は民族が長い期間培ってきたものと尊敬の念を払い、味の追究に妥協はしないとのこと。
藤原さんに大きな出会いについて伺うと、約15年前立ち寄ったモンゴル料理店でモンゴル人留学生との出会いとのお答え。交流を深めるうちに、少ないアルバイト代で学費や生活費を工面していて大変なのにすごく明るくて、エネルギッシュな彼らに惹かれたそうで、そんな彼らといると元気をもらえたそうです。ワンルームの部屋に4人で暮らしているそんな彼らと一緒に生活をしようと、当時会社員だった藤原さんは、彼らの住んでいるところに飛び込んだそうです。そこまでさせたのは、モンゴルを好きになっていた藤原さんが、もっとモンゴルの事を教えて欲しい。そして安くモンゴルに連れて行って欲しいと言ったところ、あなたがモンゴルに旅行に行っても、きれいな草原と羊しか見ることが出来ない。あなたが知りたいモンゴルは私達の中にある。だから一緒に食べて生活をしてみたらと言われ、彼らの中に飛び込んだそうです。そこで一緒に生活したことが、「こぺん」をオープンさせる1番のきっかけになったそうです。それは留学している彼らの悩みが、日本人とのコミュニケーションの少ないところだったそうです。彼らを住みやすくするには、日本の人がもっと海外の人を受け入れられるようになること。だったら彼らに教わった料理を通して、モンゴルと日本の架け橋になるような店にしたいと「こぺん」を開いたそうです。藤原さんはモンゴルの方との出会いで、彼らの懐の深さに惹かれ、自分も小さなことで悩まなくなったそうです。
「こぺん」の営業時間は、17:00~23:30。定休日は火曜日。
「こぺん」について詳しいこと、問い合わせなどについては下記HPから。
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「こぺん」
HP:http://www10.plala.or.jp/copen/
アクセス:阪神高速13号東大阪線、森之宮ICから約5分