馬耕でノンオイル米を作る男性をリサーチせよ
加藤 大吾さん
山梨県 都留市
都留市を拠点として環境に優しい農業に取り組むNPO法人都留環境フォーラム。代表の加藤さんは、馬に鋤などの農具を引かせて田畑を耕す農法「馬耕」を始めました。馬耕は昭和3、40年代以降、トラクターなど、農業機械の普及に伴い廃れた農法です。加藤さんが馬耕をはじめた理由が、農業をすると有機農業でやっているのにトラクターを使うのにすごくガソリンを使う。そこに矛盾を感じていた加藤さん。昔は馬でやっていたんだからこれを復活させればガソリンなしでも出来ると思い、仲間も増えた都留環境フォーラムで出来るとなって馬を飼い始めたそうです。加藤さんいわく馬耕をすることの良さは、馬を飼うことで馬の糞で肥料が手に入り、草刈りもしてくれる。馬を飼うだけで副産物が出てそれを農業に使って循環させられることが大きいとのこと。また人が集まり、土も自然な状況で耕すので無理がなくなるそうです。そして馬耕をはじめて地域のコミュニティーが復活したとのこと。というのは、馬耕で使う道具が古いため壊れたりすると近所の人が見かねて直してくれたり、使い方のアドバイスなどしてくれるんだとか。さらに加藤さんが馬耕をすることではじめた試みが、化石燃料(オイル)を使わない“ノンオイル米”。これは馬がいるからこそ出来ることで、これをブランド化したいと考えているそうです。
加藤さん、元々は東京でアウトドアのイベントを企画する仕事をしていたそうです。そこで自然がなくなったら自分の仕事がなくなると考えた時に、もっと自然に恩返しをしないと成り立たないと思ったそうです。そして加藤さんは10年前に一家で都留市に移住したそう。加藤さんが都留環境フォーラムを立ち上げたのが、5年前。立ち上げたきっかけは、地域の都留文化大学の教授の人に、本気で環境に向けて活動が出来る団体を作ろうと声を掛けられたこと。加藤さんが都留環境フォーラムで主に行っているのは、町おこしや在来の作物を保護すること。そして加藤さんが今後やっていきたいことは、高度成長などで学んだことと馬の文化を融合して、環境にやさしく循環でき、持続できるそんな文化を作り直していきたいとのこと。効率化はもちろん大事だが、精神的な充足や仲間やコミュニティーを犠牲にするような効率化はよくないと話してくれました。
そんな思い、また馬耕を広めるために“働く馬協会”を加藤さんは立ち上げました。協会のメンバーは、働く馬で生計を成り立てている、また興味がある人が集まっているとのこと。今年のはじめに働く馬協会で馬耕大会を開いて、いかにきれいに田んぼを耕かせるかを競技にしたんだとか。
現在の働く馬協会は、主に東日本中心なので、これを全国に広めて、各地でで行われている馬の文化や技術を情報交換して、日本全体の馬文化の向上を目指したいそうです。また、全国各地へ出張馬耕を提供できるようにもしていきたいとも話してくれました。
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