リリー・フランキー「スナック ラジオ」

リリー・フランキー「スナック ラジオ」

オンエアレポート

ON AIR REPORT

【放送レポ】オープン初日!お客様は、星屑スキャットの皆さん

リリー:いらっしゃいませ。「スナック ラジオ」店主のリリー・フランキーがお届けしています。今日、1回目のお客様は星屑スキャットのお3人さんです。 ミッツ:こんばんは。ミッツ・マングローブです。 ギャランティーク和恵:こんばんは。ギャランティーク和恵です。 メイリー:どうもこんばんは。 リリー:今日は『土曜日に気分をぶち上げる曲♪』を皆さんにお持ち込みいただいているんですが。 まずは?和恵さん? ギャランティーク和恵:土曜日って限定で選ぼうとすると山下達郎さんとかEPOさんの歌詞に「土曜日」が入っている曲をってなっちゃうなって。でも、ひとひねりしようと思いまして、ザ・キングトーンズさんが歌っているシュガーベイブの「DOWN TOWN」があって。 ミッツ:あの、グッドナイト・ベイビーのザ・キングトーンズ? リリー:グッチ裕三さんじゃなく?(笑) 〜中略〜 リリー:これはなかなかスナッキーでいい選曲。     じゃあ、メイリーは? メイリー:私は、第一回ってこともあって、真面目に、「土曜日」がタイトルについた曲を選んできちゃったんですけど。 ミッツ:そういうとこ、ホント真面目だよね。 リリー:さすが東大生。 メイリー:スナックでも、「都会から故郷を偲ぶような」曲を。 リリー:室生犀星的な? メイリー:私がもって来たのは青江三奈さんの「新宿サタデーナイト」という曲で。 リリー:じゃあ、主人公は新宿の夜の蝶的な? 〜中略〜 リリー:いいですね。でも、せっかく和恵さんが夕方の土曜日にしてくれたのに・・・深夜の「歌うヘッドライト」みたいな曲で(笑) ミッツ:ホントあなた歌謡曲好きよね・・・ リリー:こうやって、自分の好きな音楽を持ち込んで、色々聴いたり歌ったりするという、そんな番組です。土曜日にお家でゆっくり自分1人でお酒でも飲みながら楽しむ人、家族で夕ご飯を今作っている人とか……俺らがまだ子どもの頃って、土曜日が1番盛り上がる曜日だったじゃない? そのあと急に土日が休みになって、花金って言い出したじゃん? 昔土曜日は学校にも行っていたし、会社も休みじゃなかったから。だから「サタデー・ナイト・フィーバー」の世代じゃない? 俺らは。 ミッツ:だから子どものときは、ちょっと夜更かししていい曜日っていったら、土曜日だけでしたから。 リリー:「サタデー・ナイト・フィーバー」で今思い出したんだけど、映画のなかで(主演のジョン・)トラボルタが、ペンキ屋さんで働いているの。で、ずっと洋服屋さんのショーウィンドウに青いキラキラのサテンみたいなやつが売っていて。それを買いたいから、ペンキ屋の主人に給料を前借りさせてくれって言うんだけど。 お前堅実になれって言われるんだよ。お前そんなことばかりしてないで、ちゃんと貯金をしろみたいなことを言われるんだけど。そこでトラボルタが「俺は将来のことを考えるよりも、あの青いシャツを買って土曜日に踊る方が価値がある」って言ったんだよ。 ミッツ:色々な価値があるんだよ、土曜日には。 リリー:でも青春映画でも音楽映画でも、「サタデー・ナイト・フィーバー」の頃は、トラボルタの家族もご飯を食べるときは、ちゃんとお祈りをして、トラボルタがちゃんと働いていて、家族のなかの形っていうのが、まだかっちりしていたわけじゃない? これが何十年か経って、同じ音楽映画のなかでも、8Mileとか。エミネムみたいになってくると、エミネムがボロボロに友達とか彼女に裏切られて、家に帰ってくるとお母さんはエミネムの先輩と付き合っているんだよね。 で、ミシェル・ファイファーだったかな。エミネムが帰ってきた瞬間に、お母さんがエミネムに言うのよ。「ねえ。聞いて。彼が○○してくれないの」って。で、エミネムが「聞きたくない」って言うんだけど……本当に聞きたくないよね。それくらい何十年か経つと、親子関係が崩壊しているっていう。 ミッツ:偏りすぎでしょ(笑)。そんな、アメリカ人みんながみんなエミネムの家みたいになってないよ。 リリー:夕方のこの時間は、○○オッケーの時間帯かな、と。もういいよね? ダメ? 3時のおやつが過ぎたら、もういいでしょ? ミッツは土曜の夕方は? ミッツ:昔は、土曜っていったら10代の頃20代の頃……ようやく外出を1人でできるようになったときに、ウキウキしながら、これを聴きながら地下鉄に乗っていたな、とか車を運転していたなとか、そういう感じで。TOKYO FMですからね、これ。今、この夕方の時間、車を運転しながら、トワイライトタイムですからね。ちゃんとFMっぽい曲っていうのもノスタルジアとともに選んできました。 リリー:それじゃ、まるで新宿サタデー・ナイトがFMっぽくないみたいな感じに。 ミッツ:ないでしょ(笑)? メイリー:いいじゃないですか、新規軸! 本当に。 ミッツ:逆にオシャレかもしれないですけどね。でも私が選んだ曲は、結構懐かしい曲なんですけど。Pet Shop Boysのデビュー曲で、「West End Girls」って曲があるんですけど。これはロンドンで街がEast EndとWest Endというのに分かれていて。West Endっていうのが、いわゆるピカデリー・サーカスとかがある中心街なんですね。で、East Endっていうのは、結構下町で、わりと労働者階級の人達が住んでいるエリアで。 そこで育った男の子達が、意を決してWest Endの西に来て女の子をハントする、みたいな。でもそこには、いわゆる性的なものだけじゃなくて、ずっとその人生の中で、色々な葛藤を抱えながら、それを爆発させるのかさせないのかっていう……結構深い曲なのよ、これ。で、神奈川県にある実家から新宿に通っていた頃、よく運転して通っていて。第三京浜の玉川の陸橋を渡ると東京都になるんですけど、するとそこで自分の中でスイッチが入るんですよ。 リリー:入るね。それこそハイウェイミュージックがあるじゃない? 高速を運転しているときに、これがかかるとブチアガるっていう。俺ね、MAXの「Love is Dreaming」。あれを聴くと、ちょっとアクセルベタ踏みだね。 ミッツ:アクセルをベタ踏みしたくなる曲を、結構色々考えたんですけど……特に土曜日で、「よし今日は気合いを入れるぞ!」とか「いい出会いがあるかな?」とか。あとは、仕事をするようになってからは「今日もしっかりちゃんとお勤めしなきゃ」みたいな。そういう気分に自分をさせる曲ということで、一応決めてみました。じゃ、聴いてください。Pet Shop Boysで「West End Girls」。 リリー:確かに、これミッツは思い出のなかで、土曜日ブチアガるかもしれないけど。これも新宿サタデー・ナイトと同じトーンを感じますね。 ミッツ:そうかもしれない。 リリー:スナック評論家の玉袋筋太郎さん(浅草キッド)が知らないスナックに行ったときに、いきなり自分の好きな歌を歌うんじゃ認めてもらえないから、まず「カラオケどうですか?」って言われるじゃん? そのときに、店も常連さんも試しているわけ。最初にデンモク(カラオケのリモコン、電子目次本の略)の履歴を見る、と。履歴を見て、その店の傾向を探って、そのなかで選ぶんだけど……番組でオンエアした3曲がうちの店のデンモク……めちゃくちゃだよ。傾向が見られない(笑)。 メイリー:でも、他店の履歴もそんなものよね。 ミッツ:この3曲が履歴に入っていたら、結構主体性の強いお客が、ちゃんと自分なりの楽しみ方をできるお店なんだなっていう。 ギャランティーク和恵:クセのある店だよね。 メイリー:最新のヒット曲が並んでいるわけでもなく。 ミッツ:昭和縛りで無理くり歌わされちゃったんだな。この流れっていうのでもなく……すごく独りよがりのお客が、ずっと尾崎豊を歌っているわけでもなく、みたいな。 メイリー:いいお店ですよ。 ミッツ:ようやくFMっぽくなってきた(笑)。 リリー:ミッツのなかでは、洋楽がかかるとFMっぽいって感覚も昭和なんだよ(笑)。確かに昔は「洋楽はFM」だったよね。 リリー:昔、ダイヤルQ2が流行り始めたときに、ダイヤルQ2のなかで、#0721とか#1919とか、それらしい数字を入れると、そこに録音している男の声が聴けるわけよ。で、そのメッセージに、また返事するみたいなやつで。それを聴くのにはまっていたわけ、友達と。いい男に見せたいわけよ。そこに入れているメッセージ。「はい、皆さんこんばんは! ……というわけで」みたいな、ちょっとFM調が入っているわけ。後ろではクリストファー・クロスみたいなのがかかっていて。「今晩、ちょっとエッチな気分になっているあなたがいましたら、直電ください。090-」みたいな。 ミッツ:そんなんだったんだ(笑)!? ギャランティーク和恵:ちょっとFM気取るということがモテる、というのがあったんでしょうね。ちょっとエッチな気分ね。 リリー:今回は第1回目なのでリスナーの方からのメールとかもなく……皆さんよくご存知の、僕の付き人のトパス・ジョンキンバルー君、「テラスハウス」とかにも出ているのに、1番やりたい仕事がラジオ! ラジオオタクなんですよ。で、ラジオの仕事に来ると、めちゃくちゃブチアガるんだけど。 トパスは今日が初めてのラジオの現場なの。で、トパスに「僕が放送作家をやっていたときは、1回目の番組には(リスナーからメールやはがきが来ないから)あまり面白くない。だから放送作家が1番最初にやる“作りハガキ”ね」って。だってハガキが来ないんだから。 ミッツ:そこでその番組の傾向と温度感みたいなのを。 リリー:そう。「こういう傾向のやつを送ってくださいよ」っていう指針となるような“作りハガキ”ですよね、一応読みますね、トパス君の作りハガキのコーナー。東京都38歳、ペンネーム、デスペラードさん。 ミッツ:まず東京都の何区か何市くらいまではほしいな。 リリー:東京都あきる野市、とかほしいよね。ディティールの香ばしさがない。「リリーさん。この度はレギュラー放送第1回目の放送おめでとうございます。リリーさんのレギュラーラジオ番組は何が売りでしょうか? とても嬉しく思います。ラジオ大好きっ子として、ラジオパーソナリティのリリー・フランキーが大変楽しみです。 さて話題が変わりますが、ちまたでは新型コロナウイルスが流行っていて、外出ができないからこそ、エンタメの出番です。そのなかでもラジオの強みは、ラジオに専念するもよし、何かをしながら聴くもよし。多種多様なものがあります。そこで質問なのですが、リリーさんは、ラジオを聴きながら何をしますか? またラジオを聴きながらお勧めのものはありますか? よろしくお願いします」と。 ミッツ:随分上から来たわね(笑)。 リリー:ラジオを知り尽くしたデスペラードさんの作りハガキね。 ミッツ:いわゆる時事ネタみたいなのもね、社会情勢みたいなものも織り込んで。 リリー:どうですか? 生まれて初めての作りハガキ。いきなり時事ネタを差し込んできましたね……じゃ、ちょっと今先輩で放送作家の大野ケイスケもね、5分で書いてください。どうですか? 本当にいつもラジオを聴いているもんね。 トパス:そうですね、聴いていますね。 リリー:1番聴いているラジオは何ですか? トパス:他局になってしまうんですけど。テレビ東京の佐久間さんのラジオ(ニッポン放送「佐久間宣行のオールナイトニッポン」)を。 ミッツ:流行ってるね。 リリー:他は? トパス:他局になってしまうんですけど。TBS(ラジオ)のアルピーさんの(「アルコ&ピース D.C.GARAGE」)。 リリー:お前、(TOKYO FMでラジオパーソナリティをつとめている)福山(雅治)君に結構ご飯を食べさせてもらってるよな!? リリー:当局(TOKYO FM)はないんですね? トパス:そうですね……まだ初めてです。 リリー:ちょっともう1回作りハガキを書きに戻ってきてね。 〜中略〜 リリー:星屑スキャットはツアーがあるそうで。 ミッツ:今年ツアー2020「色、色々」というタイトルで、5月23日の土曜日、大阪の岸和田浪切ホールという所を皮切りに、仙台・沖縄・神奈川・愛知。そして東京は7月16日の木曜日。中野サンプラザ……初めてです。 ※ツアーの日程に関しては、今後変更になる可能性がございます。 詳しくは、星屑スキャットオフィシャル HPをご覧下さい。 http://www.hoshikuzu-scat.com リリー:でも立派なもんですね。こうやって全国色々なホールでツアーができるようになるなんて。 ミッツ:ようやくここまで。リリーさんのおかげで本当に。 リリー:でも、ここはスナックが開店しましたので、出掛けなくても。出掛けにくいこのご時世のなか、家の中にいても飲み屋さんにいるような感じになってもらえればいいな、と思う第1回でした。 ★4月11日(土)は、スチャダラパーのみなさんをお迎えします。どうぞお楽しみに!
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