柔らかな光に包まれる夕暮れから、夜の世界へと表情を変える特別な時間に
素敵なお客様をお迎えするこの番組、
仙台慈眼寺のご住職・塩沼亮潤大阿闍梨をお迎えしました。
1300年の歴史においてわずか2人しか成し遂げていない「千日回峰行」を達成された大阿闍梨。
23歳から32歳まで、奈良・大峯山の48キロの山道を9年かけて1000回往復するというその修行。
毎年5月3日から9月3日まで、一日も休むことなく行われたというこの修行について、「距離もそうですけど、24時間の中で16時間歩くので、出発は夜中の0時半なんですよ」と飄々と語ります。
帰宅後も掃除・洗濯があり、眠れる時間はわずか4時間半。「疲れが溜まる一方で、調子がいいなと思える日は年に1回あるかないか」と、過酷な日々を振り返ってくださいました。
そして「大した理由じゃないんですけど」と謙遜されながら語ってくださったのが、修行を志したきっかけ。
小学校5年生のとき、比叡山延暦寺のお坊さんが山を巡る様子を映したテレビ番組を見て、そこからいつか自分も、と思ったのだとか。その思いは中学・高校と育ち続け、「じゃあ行ってくるわ」と祖母に告げて、仙台から奈良の吉野山・金峯山寺へと旅立たったそう。
◆雨でも、熊でも——修行の過酷な日々
たった一人で夜中に提灯の蝋燭を頼りに歩く山道。「雨が降っても雪が降っても台風が来ても、休むことはできない」というルールのなか、マムシやイノシシ、そして熊との遭遇も日常のことなのだとか。
「歩いていたら地鳴りのような足音がして、気づいたら10メートルほど後ろに熊がいた」という経験も。咄嗟に振り向いて威嚇したところ熊が驚いて逃げていったそうで、「命からがら助かったことはありますね」と語ってくださいました。
◆ポジティブに、慢心せず——日々の心がけ
日々大切にしていることについては、「どんな辛いことがあっても、ポジティブな気持ち・行動・言葉を発すること」、そして「慢心する心を自分でよく監視して、その気持ちを抑えること」の二つを挙げてくださいました。「この二つが合わさって初めて人間ができてくる。これはお坊さんだけの修行ではなく、一般の方にとっての仕事だと思うんです。仕事や生活を通してこの二つを心がけている人は、すごく人間的に魅力的になっていく」と、力強く語ってくださいました。
◆宗教がアップデートすべき時代——世界への思い
世界の紛争や分断については、「それぞれの宗教が分断している場合じゃない。我々が生きるのはわずか数十年。今置かれている環境のなかで、みんなで共有して助け合って、明るく楽しい地球にしていかないといけない」とおっしゃいます。「宗教自体がアップデートしないといけない時代ではないかと思いますね」という言葉が、深く響きました。
そして、修行一筋のイメージがありながら、じつはレディー・ガガの大ファンだという塩沼大阿闍梨。コンサートには3回も足を運ばれたそうで、「オーディエンスを魅了して元気にする、その根本に愛がある。想像を絶するいろんな辛いことを全部乗り越えて、世界中の人に愛を伝えようとしているその姿は、私たちも習うところがたくさんある」と、目を輝かせながら語ってくださいました。
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