2022.05.01
防災にも役立つ電気自動車
ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、
電気自動車に特化したカーシェアリングサービスを展開する
株式会社REXEV代表取締役社長の渡部健さんです。
おはようございます。よろしくお願いいたします。
渡部健さんは、埼玉県の出身
早稲田大学在学中から大学院にかけて、電力システム工学を学び、
電力自由化を研究、就職した住友商事で海外向けの電力関連のプロジェクトを担当。
そして小売の電気事業会社などで経験を重ね、2019年、REXEVを設立されています。
今週は、主な事業内容について伺っていきたいんですけども、
早速REXEVさんのホームページを見ていくと、
eモビリティに関するサービスが展開されてるんですけど、
このeモビリティというのは電気自動車のことでいいのですか。
「含まれるものにはなるんですけど、
もう少し広い視点で、例えばバスもこれから電動化が進んでいったり、
トラックも電動化が進んでいったりしますね、そういった広い意味でモビリティというふうに捉えてこういった表現をしています。」
まずはシェアリング事業についてお伺いしたいんですが、どのような事業なんでしょうか?
「カーシェアリングなんですけれども、eemoというブランドで、カーシェアリング事業を展開してますけれども、
特徴がありまして、電気自動車のみを使ったカーシェアリングというところに特徴があります。
かつ、電気自動車なので当然電気を充電をして走る車になりますけれども、
できるだけ地元で作られた再生可能エネルギーを充電して走る車ということを目指して事業として展開をしているところです。」
我々も借りることはできるんですか。
「広く一般に借りることができますし、今法人の皆さんですとか自治体の方にもご利用いただいたりしております。」
法人個人、自治体とサービス対象も結構広いんですね
そのシェアをする仕組みを知りたいんですけど、どういう形でカーシェアをするんでしょうか?
「一般のカーシェアと似たような形ですけれども、スマートフォンアプリをダウンロードしていただいて、
会員登録をしていただいて免許証やクレジットカードの情報を登録していただくと会員登録ができて、
スマートフォンアプリから予約を入れていただいて、
何時から何時まで使うか指定された場所にも車はあるので、それを取りに行って乗ると、終わったらまた戻すという。
スマートフォンアプリが鍵になりますので、スマートフォンから車の鍵を開けていただきます。」
再生可能エネルギーをなるべく地元のエネルギーを使ったものを電気に回しているっていう話だったんですけど、
例えば再生可能エネルギーってどんなものを使ってらっしゃるんですか。
「我々の今事業をやってるところが、大体神奈川県の小田原市、箱根町といった神奈川県西部なんですけれども、
再生可能エネルギーとして太陽光がメインになっておりまして、
その他の再生可能エネルギーを使いたいところではあるんですけど、
やっぱり地域地域によって作れる作れないというのもありますので、メインは太陽光になってますね。」
シェアリングのサービスなんでやっぱ拠点っていうのが必要になってくると思うんですけども、拠点っていうのは現在どのぐらいあるんでしょうか?
「中心としては神奈川県の県西部、小田原へ箱根でステーションとしては大体20強ぐらいありまして、車としては50台ぐらいございます。」
あとメリットとして防災も入っているというふうに伺ったんですけど、
これ防災ってのはどういうポイントなんでしょうか?
「この事業自体は行政とも一緒にやらせていただいている事業にもなるんですけれども、
災害が起こったときに当然停電となったときには電気がないので、そういったところの避難所に電気自動車に溜まってる電気を使うように、
避難所に車を配備していったりして、携帯の充電をしたりとか、
そういったところから防災電源として活用いただくことを自治体と協定を結んで、災害時に役に立ったような形になります。」
それはどれくらいできるものなのですか?
「3日間ぐらいなら十分、一般家庭であまり無駄遣いしなければければ、3日とか1週間近くは持つのかなと思います。」
例えば携帯の充電、お湯を沸かすとか、ライトをつけるとか。
小田原でサービスもされてるということだったんですが、既に利用者はどのくらい使われてますか。
「コロナの影響もあって外出を控えられてたという期間で、ちょっと利用は控えられたところもありますけど、
最近また利用者がちょっと増えてきているかなという印象はございます。」
カーシェアリングっていうのはマイカーとかレンタカーとはどう違うんですかね。
「カーシェアは本当に使いたいときに使う、
マイカーですとずっと保有してますので駐車場代だったりとか、車検だったりいろんな維持費もかかってきますけれども、
カーシェアだったら本当に使いたいときに使った時間帯、それに応じた料金を支払うということで、経済的なメリットもあるのかなというふうには思いますし、
レンタカーですと短い時間では借りられませんので、ただ15分単位でカーシェアだと借りられるので、
ちょっと子供の送り迎えをしたりとか、そういったところでも利用が可能になってます。」
シェアリングプラットフォームの提供サービスもされているというふうに伺ったんですけど、これはどういうものですか。
「我々が今、小田原でやっているカーシェアリング事業でシステムを当然必要なってくるんですけど、そのシステムは当社で開発をしまして、
そうした全国で我々みたいな事業をやりたいというお客様もいらっしゃるので、
そういった方々にこの我々のシステムをご提供させていただくということになってますね。
それをプラットフォームと呼ばせていただいて、我々が小田原でやってるような事業を全国でもやりたいというお客様にご提供していると、
そういうような事業なっております。」
そういう事業をうちの地域でもそれやってみたいなって場合はお力を貸していただけるってことなんですね。
eモビリティによるEMS事業というものを展開されてるということなんですが、
これはどういったものなんでしょうか?
「EMSというのはエネルギーマネジメントという略称ですけれども、
例えば今、車が駐車場に止まってたとすると、この建物にも電気を供給したりすることができますので、
そういうことでこの建物の電気代を節約していったりとか、
あとは太陽光発電が余ってしまうような時間帯にバッテリーでその電気を吸収して電気のバランスを取っていくとかそういうふうな使い方です。」
太陽光発電が余ってしまうってのは、
いわゆるゴールデンウィークで人出が多いから電気の使用が少ないっていうことですか?
「産業活動は止まってるじゃないですか、
工場とかとまっていくと電気の使用が減るんですけれども、天気がいいと太陽光で電気が出るので、
このバランスが崩れてしまうので、それを調整できます。
電気をたくさん作りすぎても停電してしまうので、生み出すだけじゃなくて使用もある程度していかなきゃいけないので、
必要なバランスをピタッと需要と供給を合わせる必要があります。」
結構この電力需給逼迫の問題っていうのは結構出たんですけども、
電力需給が逼迫したときのための新たなサービスっていうのを始めると伺ったんですが、これはどういったものでしょうか?
「例えば電力需給逼迫時に電気自動車がたくさん普及していたとすると、
そこから電気を供給してあげるということができれば、電気が足りない部分を電気自動車からの連携で補っていく、
そういうことで停電を回避していくようなこともできますので、
電力会社さんが電気の安定管理してますけれども、
そういった電力会社さんから指示をいただいて今放電できますかというようなことをいただくと、我々が管理をしている電気自動車から電気を放電することによって電力の需給を緩和していく停電を回避していくそういうような使い方が電気自動車にできるようになってます。」
今後もっと応用範囲広がりそうですね。
これから電気自動車ってのは増えていくと思いますか?
「今よりは間違いなく増えていく社会になるかなというふうには思います。」
これまで乗り越えてきたハードルをお願いします。
「我々常識の壁を越えて行けというふうにいつも考えていて、
今ある常識を常に疑って、新しいことを作っていく、
それをハードルとして乗り越えていけたらなというふうに思っております。」
ありがとうございます。
来週もよろしくお願いします。
株式会社REXEV代表取締役社長の渡部健さんでした。