三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2021.04.14

〜LGBT就活支援〜会社設立のきっかけ

株式会社JobRainbow
代表取締役
星賢人さん
『差異を彩に』『自分らしくを誇らしく』をビジョンに掲げ、LGBTの就職活動を支援する会社。


ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

ゲストは先週に引き続き株式会社JobRainbow代表取締役の星賢人さんです。
おはようございます。

「おはようございます、よろしくお願い致します。」

星賢人さんは、1993年生まれです。大学院在学中の2016年1月、
22才の時に LGBT の就職支援をする、JobRainbowを創業されました。
数々のビジネスコンテストで優勝し、フォーブスが選ぶアジアで最も影響のある若者30人の社会起業家部門に日本人として唯一選出されています。

先週はJobRainbowの事業内容をメインに伺ったのですが、
LGBTの方達が自分らしく働ける職場に出会えるように、
会社に対し LGBT 研修や採用試験、コンサルティングを手がけて LGBT の方等の就職活動や転職活動を応援されてます。
そして起業したのも、星さんご自身がゲイであって、
周りにも就職活動で苦労した仲間がたくさんいたということなんですね。
手助けしたいなぁと思うようになったことから、こういう会社を作ったということで、
お話をいただきました。
星さんのこれまでお伺いたいと思います。
千葉県の浦安育ちなんですね。

「そうですね。」

子供の頃はどんな子供時代を過ごしたのですか?

「男の子らしい遊びってよりは、どちらかと言うと女友達と、おままごととか、お母さんのふりをして井戸端会議ごっこや、姉が4つ上でいるのですが、セーラームーンごっこやったり、そういう子供時代だったと思います。」

僕も子供時代そうだったんですよ。
僕は一人息子で兄弟もいないんですね。
で母ひとり子ひとりで育ったのですが、母は女の子が欲しかったらしいんです。
なぜかと言うと一緒にお化粧したりとか、もうそれが楽しみだったらしいですけど、
僕は男の子で、でも母は別にそこに対しては何も思ってなく、
ただ僕同じように女の子と一緒に遊んだりがすごい楽しくて、
それを見て母は期待してたらしくて、もうそっちの道に来てくれみたいな風に。
最終的にそうはならなかったのですが、ただ気持ち的にはすごく理解できるし、
いろんな人がいて良いと僕はすごく思っています。
ちなみにご自身がゲイだと自覚したのはいつ頃ですか?

「中学に入った頃に、男子校に入学したのですが、
1年生の終わりとかに思春期を迎えた頃に、だんだんと周りと違和感を感じるようになって、話が合わなくなっていって、周りからもナヨナヨしてるとか、お前おかまかよ、みたいなことすごい言われて、
先生に相談しても今度はお前が女々しいから悪いんだよとかって言われて、
そっから学校に、2年の終わりから通えなくなってしまって、1年間半、不登校状態になったっていうのがあります。」

辛い思いされたのですね。
結構オープンに話してくださってますけど、家族にもこの話されるタイミングがくるわけですよね?

「しました。で、結構遅くて、姉は早かったのですが、
それでも大学入って、一年生の時18歳の頃に姉にカミングアウトしました。
やっぱり姉がすごい近かったのと、姉が自分の恋愛の話とかしてくれるのに、
自分から話せないのすごい辛くて、
でも姉はそれを父親と母親とかに言うこともなく、ずっと秘密にしてくれていたのですが、
自分が会社をやろうって思った時に、やっぱりさすがに伝えないとなっていう風に思って、22とかに、ちょっと恥ずかしかったので、直接は言えず LINE で実は自分がゲイなんだよっていうことを伝えて、そしたらスタンプで”そうなんだ”みたいな感じで、結構あっさりと。」

親御さんなので、気づいていたかもしれないですね。

「気づいていたかも知れないです。」

気づいたかもしれないし、気にしてなかったかもしれないし、
どっちでもいいと思ってたかも知れないですね。
別に言ってくれなくてもいいし、どっちが好きであっても構わないしっていう
親だったらそう思うかもしれないですね。
自分自身も親なので、子供がどういう姓を選択しても別にいいから、
それよりも元気でいてほしいなっていう親だとそうかも知れないです。

打ち明けたことでご家族との関係は変わりましたか?

「距離がそこからぐっと近くなりましたね。」

大学の時にあるサークルの代表になられたと聞いたのですが。

「そうです。 LGBT サークルで、今どの大学でも多分あると思うのですが、
セクシャルマイノリティの方々の居場所を目的とした、そういうサークルの代表をやっていました。」

メンバーっていうのは何名ぐらいいましたか?

「自分たちの大学だけで、最終的には40名ぐらいになりまして。」

全員が例えば与えられた性とは違う感覚を持ってる人とは限らないんですよね?
それを理解してくれる人たちがいるって事ですか?

「理解してくれる人のことをアライとかって言うんですけど、」

どうしてアライというのですか?

「同盟、支援、味方っていう意味なのですが、そこから元々ストレートアライって言葉があって、LGBTじゃない人、異性愛者の人をストレートって言うじゃないですか、
そういった方々が私もサポートしますよっていう表明でアライっていう。」

それは一つ勉強になりました、では私たちはアライ。

「アライです。」

サークルの活動ってどんな内容になるのですか?

「サークルは LGBT の当事者で、学生で周りに言えなかったり、家族に言えなかったり、
それこそ家族から勘当されちゃうとか、ユージさん、お子さんがそう言っても全然受け止めるっておっしゃってくださって、すごい嬉しかったんですが、
やっぱりまだ家族から拒絶されちゃうってあったりして、
そういう孤独な人とかも多いので、みんなでぼっち飯を回避するためのランチ会を開いたりとかそういうのをやってました。」

その後大学在学中に、今の会社JobRainbow起業されるわけですけども、
それは大学の在学中にこういったビジネスをしたいっていうモデルが思い浮かんだのですか?

「そうですね、自分自身 LGBT サークルにいる時に、いろんなセクシャルマイノリティーの友人に出会って、すごく仲良くなったんですけれども、
特にその時に仲良かった一個上の先輩が、トランスジェンダーの当事者で、
彼女は元々高校までは男性として過ごしてきたんですけど、
大学に入る時に一年間浪人をして、女性として入学をされていた。
トランジェンダー女性の方で、すごく学校生活は、
初めて本当にありたい自分の女性として謳歌してたんですけど、
やっぱり就活始まった時に、トランスジェンダーなので、
例えば学校から配られるエントリーシート、
名前の次に性別欄、男女っていうのどっちに丸つけたりか分からないとか、
やっぱりスーツを着るようにしても、男性は女性はっきり分かれてので着たくない。
この会社なら大丈夫かもと思ってカミングアウトした面接官からは、
あなたみたいな人うちの会社にいないので帰ってくださいって言われて、帰されてしまう。
そういった現状を何とかしたいなという風に思って、この LGBT の就職活動を支援する会社としてJobRainbowが最初、スタートになります。」

なるほど、色々な人が気持ちよく、力を出せる社会になるべきだと、
僕は思うのですね。これからどう変えていきたいですか?

「やっぱり自分がよく考えているのは、その社会を変えるって二つの側面があって、ソフトとハードだと思うのです。
ハードの部分は、例えば会社の中で言えば、更衣室やお手洗いとかっていう施設面もあるし、あの同性パートナーでも福利厚生は受けれるとか、
そういった会社の労働における制度とかですよね。
そういったものがあると思うんです。
一方でやっぱりソフト面、人の意識とかっていうのも変わっていかないといけないと、
だから LGBT に対して、社内とかで反対や受け入れられないって人が多かったら、
どんなに福利厚生があったって、どんなに施設が整ってたって、
それを当事者が利用することができない。
だから両輪が変わっていくっていうのが LGBT もそうですし、いろんな人の違いがちゃんとソフト面でも受けられるし、ハード面でもマイナスかじゃなくて同じところからのスタートができる、これがやっぱり大事かなと思っています。」


確かに、ハード面というのは結構割と早く、取り組もうと思えば変えることができる。
ソフト面というのはそれぞれみんながを持つ感覚とか考え方にもよって変わってくるので、ここを変えてくってのは、星さん達のこのジJobRainbowの大きな仕事の役割の一つなのかなって思いました。

「ありがとうございます」

最後になりますけど、これからの夢を教えてください。

「夢はやっぱり、全ての人の違いが彩りになる世界、
そしてその彩りが誇らしく思える社会を創る、これが我々掲げているビジョンでもあるのですけれども、今まではうちの会社って LGBT ところから始まっていったんですけど、
やっぱりその LGBT の事業やっている中で、LGBTだけではなくて、
いろんな人に今マイノリティ性があって、マイノリティ性持たない個人っていないよなと、
だからこそこれからは今テクノロジーが発達していく中で、
我々もそういったテクノロジーを使っていくことで、
全ての人の違いが受けられて、それがやっぱり活躍の原動力になっていく
そういう社会を作っていきたいなと思っています。」

2週にわたって、ありがとうございました。
株式会社JobRainbow代表取締役の星賢人さんでした。


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