2023.05.23
すべての価値に向き合う
今週のゲストは先週に引き続き、シニア向けにテクノロジーを活用してサービスを届けている、株式会社オースタンス、代表取締役社長の菊川諒人さんです。おはようございます。
菊川さんは大阪府の出身。大学卒業後、リクルートに入社し、
様々な新規事業を経験されたのち、2015年に株式会社オースタンスを創業されています。
まず最初に、シニア世代をターゲットにしようと思ったきっかけはなんですか?
「もともとダンサーの友人のためにダンスの事業を行っていたのですが、とある時にシニアダンサーの映像を作ったところ、ブルーノ・マーズにシェアをされて、そこからシニアということに興味を持ちました。当時は歳をとっているのに踊れるという年齢とのギャップで売り出していましたが、世界中で取材を受けている中でシニアダンサーの方が『幾つになっても好きなことをやればいいじゃない。何かをやるのに遅すぎるということがあるの?』という話をしていて、それを聞いて歳を取ることをネガティブに感じてしまう価値観を変えて行くことが、日本のためになると思ったことが入り口になっています。」
オースタンスを創業される前は、リクルートで様々な新規事業に関わっていたそうですが、その経験も生きていますか ?
「そうですね、創業時はリクルートで学んだことをどんどんと生かしていきました。学生時代から起業はしていたので、自分で仲間を集めて、やりたい思いを形にしていくということはずっと行っていました。」
そうしてシニア世代をメインに事業を始めるわけですが、先週もうかがった「趣味人倶楽部」はもともと、DeNAが行っていたビジネスとのことですが、なぜ引き継いだのでしょうか?
「大企業とベンチャーの社長を取り上げたテレビ番組に出た時にDeNAの南場智子代表とお会いしてお話をさせていただいて、後日改めて会った時にシニア向けの事業をしているという話をしたところ、趣味人倶楽部の事業譲渡を提案されてとんとん拍子で譲渡が決まったという形です。」
実際にシニア世代と接してみて、どんな発見がありましたか?
「歳をとると選択肢が増えるということは思いつつ、年齢を言い訳にしてしまったり、長く生きてきた中で多くの失敗体験が積み上がってしまって、何か新しいことに挑戦するときに消極的になってしまうことを紐解いてあげないといけなかったり、例えば補聴器のような両親や祖父母世代が利用していた商品を、老いの象徴として見て付けたがらないということがあるので、今はデザインも良くなってイメージも変わってきているということを、様々な企業さんをサポートしながら伝えていっています。」
最後になりますが、これからの夢を教えてください。
「具体的な夢、というものは特にないのですが、僕は人が何か作るものは美しくないと思っていて、森や海のように自然物として、伸びるべき方向に伸び、あるべきところにあるという存在、ということを体現したいと思っています。」」
株式会社オースタンス、代表取締役社長の菊川諒人さんでした。ありがとうございました!