三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ 鈴村健一 ハードキャッスル エリザベス20代〜30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.02.25

保険料を事後徴収をする「わりかん保険」

株式会社JustInCase CEO
畑 加寿也
元々保険はシェアなんだというのをもっと見えるようにしたい


今週のゲストは、保険のスタートアップ企業
株式会社ジャストインケース CEOの畑 加寿也さんです。
畑さんは1981年生まれ、三重県のご出身。
京都大学 理学部を卒業後、およそ15年間、
リスク分析や保険料の計算などを行うアクチュアリーという専門職として
保険のコンサルティング会社などに勤務。2016年にJustInCaseを創業されています。


ジャストインケースさんは今年1月、「 わりかん保険 」というものを発売。
これが日本初となる新しい保険の仕組みとして話題になっています。
まず、この「わりかん保険」について、教えていただけますか?

「基本的には保険業法や保険法にならった保険の商品です。
 今までの保険は規制がすごく厳しいこともあり、
 色々守らなければならないルールがあったり、
 すごく複雑でファイナンシャルプランナーさんに訊いても
 “正直僕らが見ても何が書いてあるか分からない”という時もあり
 これを極めてシンプルに”みんなで助け合う”というコンセプトを
 入れたものになります。」

その名の通り、割り勘になっているのでしょうか。

「そうですね。普通の保険は最初にユーザーから保険会社に費用を払って
 そこから開始されるのですが、わりかん保険は後払いになっています。」

後払いというのはどういう仕組みになるのでしょう。

「わりかん保険の最初のものはガン保険なんですが
 たとえば1万人契約者がいらっしゃったとして
 1月に1人残念なことにガンになってしまいましたと。
 すると当社のほうで手術や生活費のために100万円お支払いさせていただくんですね。
 残りの9,999人の人たちに、後で割り算をして
 100円ちょっとの金額を当社から事後徴収します。
 飲み会の時に後で幹事が”1人3,000円やで”と集めるのと
 同じようなイメージですね。」

利用者からすればお金を払うだけ払って使わなかったらどうしようという
不安も持ったりしますが、それがないということですね。

「無いですね。
 ハッピーなことに誰もガンにならなかったら費用はずっと0という話ですし
 誰かがガンになったとしても、例えば前月1人ガンになっていると。
 似たような年齢の人と同じリスクを背負うことになるのですが
 匿名ですが “同じような年齢の人がガンになってる!”と分かる。
 すると払った保険料がこの人を助けるために使われたんだというのがよく分かる。
 保険の言葉で”掛け捨て”というのがあります。何も戻って来ない!と思われる。
 何も戻って来ないのではなく、実際は他の人を助けるために
 使われていたりするんですがそんなのは感じられないので変えたいなと思いますね。」

このわりかん保険はかなり透明性が高い保険ということになりますね。

「透明性はすごくあります。
 30%は運用費用として取らせていただいているとクリアに言っているのですが
 悪いところももちろんあり、事前に保険会社に払って運用して増やすという
 ファンクションは後払いなので無いのですが
 その分ライトにインターネットを中心に入っていただく商品ですね。」

買う側としてはわかりやすいし、信用できる仕組みです。
これはどういうところからイメージされたのでしょうか。海外では既にあるのですか。

「そうですね。海外でこのようなITの
 Person to Person、Peer to PeerのP2P保険と呼ばれるもので
 古くはドイツで5年くらい前に出来たのですが
 一番直近で出来たのは一昨年の暮れくらいに中国で
 中国はキャッシュレスが日本より進んでいるイメージがあるのですが
 保険のほうでもアリババが手がけた相互保険「相互宝」という商品で
 リリースから2週間で1,000万人ユーザー、
 今も毎月1,000万人ずつ増えていて1億人を超えるユーザー数に。
 15億人の中の1億なので、日本なら1,000万人ほどの規模になるのですが
 そんなレベルで広がりを見せている商品です。」
 
海外のものは運営上上手くいっているのでしょうか。

「中国はどちらかというと良くも悪くも性悪説なので
 後払いもリスクがあるのですが、それでも上手くいっていると聞いています」
 
なぜ「ピア・ツー・ピア(P2P)保険」という仕組みに注目されたんですか?

「私はずっと保険の設計をしていたのですが、
 やはり不透明なところがあるし、無駄に高いという不安があるような
 ところもあるので。保険の原点は助け合いなのですがあまりそれを感じられない。
 みんなで助け合いができるようなAir B&BやUberも 
 お店を持たずにシェアすればいいという考え。保険もシェアしたらええやんと。
 というか元々保険はシェアなんだけどというのを
 もっと見えるようにしたいなと思っていたら、中国の動きを見て
 すごい動きじゃないか!と。それで日本に持ち込んだということですね。」

これはもっと広めてほしいですね。
また保険自体の仕組みというのも大人になってから
しかも金銭的に余裕を持ち始めてからじゃないと学び始めないのも遅いと思います。
もっと早くこういった仕組みを知っていた方がいい気がします。

「めちゃくちゃそうで、年収が上がってきて、
 失うものが無くなってから知る場合が多いです。
 本来はもっと年収が低くても、一人暮らしであっても
 いきなりガンになったら1ヶ月収入が途絶えるということもあるので
 本当はそこで保険が必要なんですけども、やっぱりなかなかお金に対するとか
 リスクヘッジに関する教育が日本はまだまだ進んでいないので。」

若い人たちも知るべきことだし、年金の話もあり
自分で自分の生活を守りなさいと言われているときに
民間における保険は注目されるべきですし、
そういったことを学んでいかないと自分の生活を守れなくなっていきますからね。
 
「運用ももちろんコツコツ積み上げていくことは大切なのですが
 最悪のケースに備える。日本は社会保険などが充実しているんですけど
 どう数字を見ても間違いなく10年のスパンで破綻するレベルになっています。
 消費税30%にするのか、自分で備えておくかという話どちらかになるので。」
  
なんでもジャストインケースさんは、様々なバックボーンの方が
働いていると伺いました。どういった方々が?

「飼育員のいない動物園のような(笑)
 珍しい動物がいっぱいいる動物園のような感じにはなっていて
 僕が面接をした時に、一定の能力があることが前提ですが
 面白そうだなと。同じバックグラウンドで同じ能力があったら
 外国人の方が違うことを言ってくれる、こういう風に見るんやと
 良くも悪くも動物園になっているという感じなんですが。」

保険も色んな人がいて、あらゆる視点で見ていかないといけないですもんね。
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えて下さい。

「毎日がハードルのある徒競走みたいな感じなので、
 これからたくさんの人に知って頂かなければいけないハードルというのもあるのですが
 このわりかん保険を作る時に金融当局、金融庁、内閣府といったところと
 長いディスカッションをしていたのですが正直最初はいけないかなと思っていました。
 その半年〜1年弱のプロセスが一番ヒリヒリもしましたし、
 "中国で事例があるからといっても日本は法律が違う"
 "それは分かっているんですが…"という議論をしてというところで
 日本の政府の人たちと一緒に作ったようなところもあるので
 そこが一番大変でしたね。」

畑さんには来週もお話を伺います。
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