三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.06.23

生産者と消費者をダイレクトに繋ぐ直販ビジネス

株式会社ビビッドガーデン 代表取締役社長
秋元里奈
スーパーで買うものの先に生産者がいる事を生活の中で思い出して


ゲストは、先週に引き続き、「食べチョク」を運営する
株式会社ビビッドガーデン 代表取締役社長の秋元里奈さんです。

IT業界から転じて、農業事業を始めるわけですが・・・
先週人集めが大変だったというお話もありましたが、最初はどうされていたんですか?

「起業してから10ヶ月くらいは社員も誰もいなくて一人でやっていて
 DeNA時代の同期に副業として開発をお願いして作ったりと外部の人に
 社員として入社はしてくれなかったのですが繋がりで色々お願いしていました。」

ハートフル外注のような形で進めていたんですね。一人では大変だったのではないですか?

「人の募集はしていたのですが、なかなかDeNAの同僚などは
 農業という領域があまりピンとこないというか
 確かに社会的意義はあるけどビジネスにはならないんじゃない?と
 いろんな人に言われていました。
 なので手伝ってはくれるけど、入社してそこにフルコミットするというまでには
 意思決定してくれず、農業に興味があるというのでそれまで全然知らなかった方が
 入社してくれるようになり、ようやく軌道に乗り始め
 最近はDeNAの時の同僚が入社してくれたりが増えてきています。」

ビジネス的に農業はどうなのか?とみんなが思っている事を肌で感じたという事ですね。

「私自身、農家の両親には「農業は儲からないから継ぐな」と言われていたので
 そのイメージはみんな持っていたという事ですね。」

農家さんの最初の反応はいかがでしたか?

「農家さんからも最初は信頼してもらえず、けっこうIT企業の人が農業界隈に来るんだけど
 儲からなくてだいたい2、3年でいなくなるんだよねと言われて
 あなたもそういう人でしょ?と最初はあまり信頼されなくて
 ”食べチョクに登録してください”と言っても、
 そういうのいっぱい来ているからと断られて…」

そんな状況をどうやって払拭したのでしょうか?

「信頼してもらうというのが大事でしたし、私自身も農業をもっと知りたかったので
 農業を教えてください!と一緒に畑仕事をしながら
 何故私が起業したのかなどを話した上で、こういう事をやろうとしているという話をしました。
 人として信頼を築いた後だと、皆さん正直内容どうこうではなく
 あなたがやるのなら協力するよと、協力してもらえるようになりました。
 なので最初は本当に一軒一軒、地道にコツコツと協力をお願いしていたという感じです。
 今は登録している農家さんが周りの農家さんをどんどん誘ってくれるので
 5月だと月に500件以上の農家さんにご登録をいただきました。」

色々な技術やアイデアがあっても、結局人がそれを使うものであり
信頼してもらわないと意味がないという事ですね。
そんな中、新型コロナの影響で様々な業界が大変なことになっています。
コロナによって農家の方々にはどんな影響がでたんでしょうか?

「飲食店や給食に卸していた方々が販路が一気に無くなってしまって
 特に農作物なので生育も止められないですし、
 2月末くらいから全国各地から野菜が余ってしまっているとSOSの連絡が一気に来ました。」

実際に「食べチョク」ではどんな活動をされたのですか?

「まさに私達のサービスが消費者さんに対して直販するという事だったので
 貢献できるところが大きいだろうと思いまして
 3月2日から食べチョクが一部送料を負担して、お客さんも買いやすく
 生産者さんも売りやすくするというのをスタートしました。
 ずっとそれを自社負担でやっていたんですけども、
 5月末からは農水省さんが対象商品を一部送料負担するというプログラムを
 スタートしていただきまして、食べチョクも対象事業として
 今は農水省が一部負担してくれているという感じですね。」

ダイレクトに届ける食べチョクの考え方は素晴らしいですね!

「食べチョクの中に”コロナでお困りの生産者さん”特集を作ったのですが
 消費者の方に応援して買っていただいたりしていますし
 SNSやTwitterなどでもこういう状況で困っているんですというのを
 積極的発進させていただくと大きな反響があって
 すごく多くの方に支えていただいたという印象を持っています。」

自粛の期間と今では少し状況は変わってきているのでしょうか?

「正直生産者はあまり回復していないというのが現状で
 引き続きSOSの連絡がたくさん来ますし、
 毎日困っている農家さんからの新規登録も来ているので
 まだ厳しい状況は続いていますね。
 一方で消費者の方は戻ってきている感覚があり、
 前ほど家にもいらっしゃらなかったりするので
 ここからが本当の踏ん張りどころというか
 食べチョクとして頑張っていかないといけないところかなと思っています。」
 
コロナの影響への取り組みとして 次に計画していることは何かありますか?

「消費者の方には引き続き生産者の現状を伝えていきたいなとは思っていて
 そこに合わせて生産者さん側もなかなか高齢の方が参加しづらかったりするので
 若手の方だけではなく、高齢の方にも登録しやすいような
 サポートや仕組みを作っていこうとしています。」

僕ら消費者と、生産者さんへのメッセージはありますか?

「なかなか一次産業の現場はコロナの影響が収束していない状態なので
 ぜひ引き続き目を向けてもらえたら嬉しいなと思っています。
 スーパーで買うものの先に当たり前ですが生産者がいるという事を
 生活の中で思い出してもらえたら嬉しいです。
 生産者さんはお困りの方がいたらご連絡ください。
 食べチョクとしてご協力できるところは何でもさせていただきたいと思っています。」

心強い言葉でした!
2 週にわたってありがとうございました!
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