ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2015年9月13日のショートストーリー

「一生付き合っていかなくちゃならない人、それは自分自身なんだよ。」

[ストーリー]

小さい頃から、大きくなったね、と言われるのが嫌いだった。
大きくなったなんて、自分では全然思っていなかったからだ。

高校最後になる秋の大会で、レギュラーから外れた。
代わりに入ったのは、170センチある１年生。
バスケは背が高い方が有利なのはわかる。
でも、どうしても納得ができない。

なんとなくまっすぐ帰る気になれなくて、
帰り道にあるおばあちゃんの家に寄った。
おばあちゃんが淹れてくれたお茶を飲むと
なんだか心が落ち着くのだ。

「私、なんでこんなに小さいのかな？」

学校であったことを話すと、おばあちゃんは、
子どもの頃、先生に言われたという言葉を教えてくれた。

「一生付き合っていかなくちゃならない人、それは自分自身なんだよ。」

確かにその通りだ。
不満を言っていても何も始まらない。

今の自分、小さい自分でもできること。答えはひとつ。
視線を上げると、おばあちゃんはやさしく微笑んでいた。

静岡県「あぼちゃん」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・杉山錠士

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