ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年12月1日のショートストーリー

「話は目で聞け」

[ストーリー]

初めてチームリーダーを任された私が会議室に入っていくと、
中には私よりもずっと若い社員たちが集まっていた。
私が話を始めても、下を向いたまま。
ちゃんと話を聞いているのか、聞いていないのか、
覇気が感じられず、
話している行為自体が、無意味に感じられてくる。

そんな光景を見ながら、
自分の高校時代を思い出していた。

理科の授業、しんとした教室に響く先生の声。
そう、私も彼らと同じだった。
特に何かが嫌なわけではないけど、という程度。
話している相手の気持ちとか、
理解を深めようとか、そんなことは考えられなかった。
そこで、私は先生の言葉を使ってみる。

パンと手を叩き、そして一言。
「話は目で聞け！」
驚いた後輩たちの背筋が伸びる。

会議室を出ると、
アシスタントの後輩が「かっこよかったですよ〜」と声をかけてきた。
私は少し照れながら、
彼らもいつか、
相手の目を見ることの大切さをわかってくれるといいな、と思った。

愛媛県「バスケ大好き」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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