ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年3月2日のショートストーリー

「一番強いのは、“続ける才能”」

[ストーリー]

息子が、料理人になるために上京して、
1年が経とうとしている。
父親として、なにか言葉をかけてやりたいが、
向こうからは、何も連絡を寄越さない。
だから一度、顔を見てやろうと思った。

何年ぶりかの東京・・・息子の働くレストランに入る。
だが、どこにも姿は見当たらない。
逃げ出してしまったのだろうか・・・
そんなことを考え、料理を味わうことはできなかった）

店を出ようとしたとき、厨房を覗いてみた。
奥で皿を洗っているのは、見覚えのある顔・・・。
その元気そうな姿に、ほっとした。

帰りの電車でメールを打った。この一言を添えて。

「一番強いのは、続ける才能」

野球部で球拾いをしていた私に、先生がかけてくれた言葉だ。

窓の景色が、見慣れた街に変わるころ、返信が届いた。
「ピカピカのお皿があるから、最高の料理なんだ。頑張るよ」

自分の息子ながら、大したもんだな、と思った。

東京都「スズメのなみ子」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・菅井章博

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