ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2015年6月28日のショートストーリー

「人は皆、違う速度で生きている」

[ストーリー]

親友とケンカをした。

彼女とは小学校から大学までずっと同じ。
美容関係の仕事に就きたくて、
一緒に説明会にも行っていた。
それなのに、彼女は突然…、
「私、留学する。
アメリカでメイクの勉強がしたいの」

耳を疑った。
もっと現実を見なよ。
一人前になるまでどれだけかかると思ってるの？
感情に任せて次々と言葉を投げつけた。
だって、彼女は間違ってる。

部屋に戻って乱暴にバッグを投げると、棚から一冊の本がおちた。
高校の卒業アルバム。
手にとると、あるページに目が留まった。

「人は皆、違う速度で生きている」

それは担任の先生の言葉。
私はハッとした。
反対してしまったのは、同じ速度で生きてきた親友が
初めて自分と別の道に進もうとしているから…。
私、怖かっただけなんだ…。

彼女の夢を応援しよう。そう心に決めた。

京都府「ありがとうは魔法の味」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・市川榮里

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