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番組スタッフ
右を見ても左を見てもスター・ウォーズだらけの12月。単純な映画の宣伝の域を超え、ダース・ベイダーやC3POなどのキャラクターとコラボしたPRがあらゆるところで繰り広げられるのを見ると、コンテンツとしての威力を改めて知らされます。

1977年公開のシリーズ1作目から通算7作目となる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。今月18日、午後6時30分に全国一斉公開されるわけですが、その人気は世界各地でいまだ衰える気配もなく、公開前からすでに話題となっているようです。第1作公開以来、実に10億人もの人がスター・ウォーズを見たと言う映画史に名を残す伝説的作品の、その「伝説の更新」に注目が集まっています。

全世界で10億人が見て、計り知れない額の経済効果を生んできて、もう十分がんばっているスター・ウォーズ。その成功を、日本を代表する漫画「ワンピース」が応援するとして批判を浴びています。
公式サイトにはこうあります。

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2016年7月23日(土)公開が決定した『ONE PIECE』の映画最新作『ONE PIECE FILM GOLD』。
TOHOシネマズとT・JOYの『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を上映する劇場(一部劇場を除く)の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』上映回に、ルフィからエールを贈るスペシャル映像が上映されることが決定しました!
(中略)
史上初の、映画会社・作品の垣根を越えたまさに奇跡の連携となる本施策!
「スター・ウォーズ」風の衣装に身を包んだルフィたち麦わらの一味が、リスペクトを込めて『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を映画館で鑑賞するという内容になっています!!
【ルフィが「スター・ウォーズ」へエールを贈る!! 映画館でスペシャル映像上映決定!!!!!】
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「世界観を壊さないで」「謎の上から目線」「ライトセーバーで切られろ」といった怒りの声が多数上がっていると言います。
事実、私の友人の教徒とも呼ぶべきスター・ウォーズファンはワンピースのスペシャルエールが公開されない一部劇場を選んで観賞する、と憤っていました。

上から目線と批判されているけれど、ワンピースとスター・ウォーズのコンテンツとしての力関係を、上にいるのはどちらかと考え、批判の是非を考えるのは野暮というものです。
「スペシャル企画」で「リスペクトを込めて」と言うのに、スター・ウォーズ好きによるスター・ウォーズ好きのための「特別感」や「敬意」などが感じられないから怒りを買っているのです。好きでもないであろう人に横槍を入れられたという感じでしょう。

私はどちらのファンでもありませんが、スター・ウォーズのファンが怒るのも納得できます。
そんなことで怒るなと思われる人もいるでしょう。
しかし、そんなことでもファンは「ファンであるがゆえ」に怒るのです。
スター・ウォーズのみならずファンという人たちの沸点はとても低い。惜しみなく時間や金を投資した作品、コンテンツを、他者が取り扱う瞬間を見つけ、その扱い方に「敬意」がないと彼らは怒ります。
特にマスコミで取り上げる際は、紹介される情報量が自分が知る未満のものであると、ファンの怒りを買ってしまいます。
貴重な時間と金を投資している以上、常に自分の方が勝るという自負がつきまとうことは仕方のないことです。
「熟知しない者」の介入を毛嫌いするのは何も趣味の世界に限ったことではありません。

PR合戦が最高潮に達したスター・ウォーズ。日本の映画業界に限ったことなのかはわかりませんが、映画の宣伝として「PR大使」や「応援団」といった肩書きをつけられたタレントたちが意気揚々と声を上げているのを目にします。しかもその映画に出演していない人が、こじつけとも言うべき理由で起用されているから滑稽に見えたりもします。

世界で知られるアメリカの話題作を日本人タレントがその成功を祈ってPRしている姿に恥ずかしさを感じるのは私だけでしょうか。
「笑っていいとも!」のエンディングに外国人アーティストが登場し、何やら日本人のタレントの中でまごついていた感じ。
世界的サッカープレイヤーが日本の音楽番組に出演したときのやる気のなさ。
ハリウッド映画の日本語吹き替え声優に、声での演技力に疑問符がつくタレントの起用。
日本人として欧米にコンプレックスがあるというわけではないのですが、何だかどれも恥ずかしい。
どれもファンの裾野を広げようとしているのでしょう。しかし、裾野を広げようとやってきた場所がそこでいいの?と疑問に思ってしまったり、何より出たくて出ているわけではないことが見え見えなのが辛かったりもします。
「ファンの裾野を広げる」という行為を誰もが納得が行く形で成功させるのはとても難しい。

ワンピースの件もそうです。スター・ウォーズを知らない世代を取り込むというファンの裾野を広げる意味もあったのでしょう。裾野を広げるということは、入り口を「わかりやすくする」ということです。
スター・ウォーズを知らない世代を取り込むわかりやすい手段として、ワンピースが用いられたのでしょう。
「ファンの裾野を広げる」という大義の下、作品とは関係のない日本人タレントやコンテンツというフィルターを通して、わかりやすくする必要があるのか。そのフィルターがきっかけでファンになってくれた人はずっとファンなのか疑問です。

ワンピースに罪はありません。しかし、どうせエールを送るならば、スター・ウォーズそのものではなく製作者、関係者に送るべきだったのでは、と思います。

坂本
(2015/12/17 UPDATE)

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