DAILY NEWS ★あなたの気になる特集内容は?ソーシャルボタンでシェアしよう!

番組スタッフ
NHKの夜のニュース番組「ニュース7」が“貧困”の当事者として取り上げた女子高校生に、ネット上で「このレベルでは貧困ではない」との批判が出ている問題。
批判している人たちは何を根拠に貧困のレベルに達していないと主張したのでしょうか。この主張は間違っていますし、間違いの根っこには“貧困に対する無知”があるように思います。

“貧困に対する無知”とは何なのか。その話にいくまえにまずはこれまでの経緯をおさらい。
まず問題の発端となったのが先週木曜(18日)に放送されたこちらのニュースで、その中で取り上げられた女子高校生の生活ぶりがこちら。

・小学生のときに両親が離婚。一緒に暮らす母親が働きながら家計を支えている。
・自宅には冷房がなく、夏はタオルに包んだ保冷剤を首に巻き、暑さをしのいでいる。
・自宅にパソコンがなくパソコンの授業についていけないのに、パソコンは買ってもらえず、買ってもらったのはキーボードのみ。これをきっかけに自らの貧困を意識。
・アニメのキャラクターデザインの仕事に就くため、専門学校への進学を希望していたが、入学金を工面することが難しく、進学をあきらめた。

この放送後、1万数千円する画材が映っていたこと、アニメやマンガ関連のグッズが大量に映っていたことを根拠に、ネット上で「貧困ではないのでは」という疑いが浮上。
その後、女子高校生のTwitterアカウントが特定され、同じアニメ映画を5回観たことや好きなアニメのグッズを大人買いしていること、1000円以上するランチを頻繁に食べていることなどが次々と明かされていきました。

さらに、この流れに便乗するかたちで自民党の片山さつき参院議員がTwitterに「チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思い方も当然いらっしゃるでしょう」などと書き込み、事を荒立てる展開に。
この書き込みの後、片山さつき氏に対する批判が出ましたが、それでも女子高校生への批判は収まっていないのが現状です。

その批判の根っこにあるであろう、“貧困に対する無知”。
実は貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があり、「絶対的貧困」は食べる物が不足し、命さえ危うい状態にある人のこと。
今朝の東京新聞に「今回のバッシングを見ると、貧困といえば、アフリカ諸国の飢餓状態などをイメージする人が一定数存在する」とあるように、貧困と言われるとこちらをイメージする人がほとんどなのではないでしょうか。
わたしも「貧困=飢餓状態」というイメージを持っていたひとりです。
一方、「相対的貧困」とは所得が全人口の中央値の半分に満たない人のこと。
2012年時点の厚生労働省の調査では、相対的貧困とされる人の年間所得は122万円未満とされています。
今回の女子高校生はおそらくは「相対的貧困」。
多くの人が持つ貧困に対するイメージと現実のズレが「このレベルでは貧困ではない」との批判を生んだように思います。

今回、多数見られた「貧困なんだから趣味にお金をつかうな」という批判も無知がゆえのもの。
以下のブログ記事を読むと、この批判も見当はずれであることが分かります。

貧困JKの炎上から何が分かるか(「T.が過去を振り返る」2016/8/20)

*****
01.貧困とは、一定より家庭が貧しい状況であり、実際にあの記事の彼女は母子家庭であり、一般家庭より貧しいのは事実である。
02.そういう環境にいると、色々不便を感じることや、実際他の家庭と比べて金銭的に厳しいので、その余裕のなさは精神にくる。
03.精神的な余裕がないことというのは生きていくうえで非常に問題であるので、それをなるべく解決しなくてはならない。
04.その方法として一番よく使われるのが趣味である。 
つまりまとめると、「貧困層こそが趣味に興じる必要がある」ということである。
*****

間違ったイメージで捉えられ、修正するタイミングを失っていた貧困。今回の件をきっかけに正しいイメージが広がり、貧困者バッシングが少しでも減ることを願うばかりです。

(スタッフH)
(2016/8/23 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


ページの先頭へ