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番組スタッフ
『年収5000万円 超人気芸人「母に生活保護」仰天の言い分』

「女性セブン」(2012/4/26)に掲載されたこの記事をきっかけに、ある人気芸人に対して、ネット上では非難の声が集中、物議を醸しています。

「女性セブン」の記事によると、ある人気芸人は推定年収5000万円ほどあるにもかかわらず、母親に対する扶養義務を負わずに、母親に生活保護を受給させ続けていたというのです。

このままでは分かりにくいので、生活保護と扶養義務の関係性についても解説します。
生活保護を受給するためにはいくつか条件があり、その中の一つに「親族で助けてくれる人がいるかどうか」というものがあり、もし助けてくれる親族がいる場合は、扶養義務が優先され、生活保護は受給できません。

これを今回のケースにあてはめると、人気芸人は母親を扶養する義務があったものの、扶養義務を負わずに、母親に生活保護の受給を続けさせていた、ということのようです。

「女性セブン」に端を発したこの騒動は、ネット上で過熱していきます。
まず、「日刊サイゾー」が芸人の名前を実名で報道。
さらに、「livedoorネットリサーチ」では、「売れっ子芸人の母が生活保護 納得できる?」と題するアンケートを実施。
その結果、2410名が投票し、このうち92.7%が「納得できない」と答えています。


「納得できない」と答えた理由としては、以下のようなものが挙がっていました。
・生活保護は生きていく為の最後の砦。親類がいるなら必要ない。
・税収40兆円の国で、生活保護費で食い潰されている額3兆円。真面目に働いて納税する者が馬鹿を見るレベル。
・生活保護の不正受給の厳罰化と資格調査をしっかりすべき。

今回のケースは、人気芸人が絡んでいるため、騒動が大きくなりましたが、生活保護の不正受給自体は以前から問題視されてきたかと思います。

最近では、ネット上で「働きたくないので、ナマポ(生活保護を表すネット用語)の受け取り方教えてください」などといった、不正受給に関する情報交換が当たり前のように行われていることも問題となっています。

一方で、生活保護の受給者は昨年12月時点で207万人を突破し、過去最多を更新。受給世帯数も150万7940世帯と、こちらも過去最多。さらに支給額は3兆円を超えています。

こうした生活保護に関するニュースと必ずといってもいいほどセットにされ、報じられるのが生活保護の不正受給。

不正受給が生活保護の受給者数を押し上げているような印象さえ受けますが、実は生活保護の不正受給者は、受給者全体の1%程度なのだといいます。

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厚労省の調査によると、10年度の不正受給件数は2.5万件、受給者の1%程度。
それよりも重要な問題は、高齢者や単身者、失業者などの貧困をどう食い止めるのか、生活保護の自然増加をどう反転させるか、の議論である。

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「週刊エコノミスト」(2012/4/3)
“国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長・阿部彩さんの記事”より


さらに、若者の生活保護受給者が問題視されていますが、実は生活保護受給者の約半数は65歳以上の高齢者なのだそうです。

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実は、厚労省のデータによれば、生活保護受給者の約半数は65歳以上の高齢者である。
もちろん「働けるけどめんどくさいから生活保護で済ませちゃえ」というけしからん現役世代も少数はいるだろうが、統計上は、仕事が見つからず体力的な問題も抱えた高齢者が中心ということになる。
本質は、老後の社会保障がザルになっているということだ。最低保障年金のような未納者もカバーできるような仕組みを作って、財源は消費税等で広く負担する仕組みを一日も早く導入するしかない。

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「週刊SPA!」(2011/10/4)
”「若者はなぜ3年で辞めるのか」の著者で人事コンサルタント・城繁幸さんの記事”より


厚労省の統計、識者の意見を総合すると、生活保護に関して問題視すべきは不正受給や若者ではなく、高齢者。
しかし、先月、厚労省が示した対策はどうでしょう。

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厚生労働省は9日、首相官邸であった国家戦略会議で、生活保護受給者が働いて得た収入の一部に当たる保護費を自治体が積み立てておき、生活保護を抜ける際に本人へ返す「就労収入積立制度(仮称)」の創設を検討する方針を示した。
収入が増えた分保護費も減らされる現行制度の原則が働く意欲を失わせているとの指摘があり、同制度の導入で受給者の就労を促す考えだ。

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毎日新聞(2012/4/9)

厚労省が示したのは低所得者の生活保護からの自立支援を強化するための新制度。
これから働く若者を対象にした制度のように思えますが、果たしてこの新制度が生活保護受給者の減少につながるのでしょうか。

統計や識者の話を信じるのであれば、生活保護問題に対して講じるべきは、高齢者の雇用対策、そして老後の社会保障の充実のような気がします。


<web担当:H>
(2012/5/1 UPDATE)

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