DAILY NEWS ★あなたの気になる特集内容は?ソーシャルボタンでシェアしよう!

番組スタッフ
最近、私のTwitterのタイムラインでしばしば見かける「クラウドファンディング」という言葉。何かを実行したい人がプロジェクトを立ち上げ、その志に賛同する人々からネットを通じて少額のお金を集めて、プロジェクト遂行のための資金にするというものです。

先月発売された津田大介さんの著書「動員の革命 ソーシャルメディアは何を変えたのか」(中公新書ラクレ)でも多くのページを割いて紹介されているので、知ってる!とか興味ある!という方も多いのではないでしょうか。

プロジェクトのオーナー(立案・遂行者)と資金を提供する支援者を結ぶプラットフォームとして、アメリカでは「Kickstarter(キックスターター)」、日本では「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」「REARYFOR?(レディーフォー)」「motion gallery(モーションギャラリー)」などが有名です。


プロジェクトの内容は、実にさまざま。たとえば、こんなものがあります。

+++++++++++
陸前高田市の空っぽの図書室を本でいっぱいにしようプロジェクト(※成立済み)
https://readyfor.jp/projects/an_empty_library

ハイチ人医師を日本の医療教育で育成し、結核患者を救いたい!
https://readyfor.jp/projects/haichi-doctor

69歳の職人が彫る人生最大のドラゴンアート、職能を活かし新しい市場を共に創る(※成立済み)
http://camp-fire.jp/projects/view/218

カンヌ映画祭・ベネツィア映画祭を制覇した巨匠キアロスタミが、新作『Like someone in love』を日本で撮る!
http://motion-gallery.net/projects/1
+++++++++++



プロジェクトを支援したいと思った人は、数段階ある支援額(チケット)からひとつを選択し、クレジットカードで購入します。チケットに応じて、支援者が手にする「見返り」は異なります。成果物そのもの、優先的にサービスを受ける権利、自分の名前を載せてもらえる権利、などなど。
また、プラットフォームのサービス内容によって、購入した時点で課金されるタイプと、オーナーが設定した期日までに目標額に到達しなければプロジェクト自体が不成立となり、課金されないタイプがあります。
プロジェクトが成立すると、プラットフォームはカード決済などの手数料を差し引いた残りをオーナーに支払います。

寄付と共同購入の両方の性格を持つクラウドファンディング。ソーシャルメディアの普及によって、資金を調達したい人とそれを支援したい人がダイレクトにつながる、新しい可能性を持った手法であることは間違いありません。



前置きが長くなりましたが・・・
今日は、実際にプロジェクトを立ち上げた方に、お話を伺ってみました。
CAMPFIRE で「CGの炎や煙を直感的に作れる世界で最初の手描きアプリ『Sparta』の開発」というプロジェクトを進行中の、狐塚諒太さんです。

Sparta プロジェクト
http://camp-fire.jp/projects/view/237



テレビ・映画から音楽 PV、ゲームまで、CG は今や映像表現に欠かせない技術。とはいえ、そのアプリを実際に利用するのは業界の一部の人たちで、そうでない人にとっては恐らく、ほとんど縁のないもの、ではないでしょうか。CG という言葉の浸透度に比べて、市場はニッチな気がします。

プロジェクト紹介ページで「私はSpartaの開発資金を集めるために色々な方法を探していました。最初はVCや個人投資家から資金を得ることを考えていました。しかし、R&Dの期間が長すぎる点(ここまで15ヶ月)などが原因で、これは上手くいきませんでした」と経緯を説明する狐塚さん。クラウドファンディングを使ってみて、どんな感触を得ているのでしょうか?


++++++++++
1)プラットフォームが複数あるなかで、CAMPFIRE を選んだ理由を教えてください。

同業者のプロジェクトが成功したということもあって、元々 Kickstarter というアメリカのファンディングサイトで始めようと思ったんですが、米国市民でないと参加できないということを知りました。そこで、日本で行えるサイトを探した所、CAMPFIRE と READYFOR? が見つかりました。

自分が見つけた時点では、2つのサイトに大きな差はないという評判で、当初どちらにすべきか悩みました。結果的には、既に掲載されているプロジェクトに、「テクノロジー」と「プロダクト」という項目が多かった CAMPFIRE を選びました。

++++++++++
2)「Sparta」プロジェクトの立ち上げ日は4月26日、期間は60日、目標金額は50万円に設定されていますね。

「立ち上げ日」は間違いありませんが、「期間」は61日です。なので、6月25日(月)が最終日になっています。

これは、CAMPFIRE チームから「立ち上げ日から60日後がちょうど日曜日になってしまうので、ラストスパートのお手伝いをするのが難しくなってしまいます。61日に変更しても大丈夫でしょうか?」というお話があったからです。

++++++++++
3)プロジェクト立ち上げに際して、CAMPFIRE のために要した準備期間やその内容は?(例:プロジェクトホームのコンテンツ(紹介文や動画のデモなど)を準備するのに10日かかった、そのための撮影機材を新規購入するのに2万かかった、など)

CAMPFIRE チームから最初に連絡があったのが3月21日なので、準備期間は1ヶ月ちょっとかかったことになります。当初は、プロジェクト用ページがすぐに掲載されないことを不思議に思いました。しかし、これは「CAMPFIRE チームが、直接プロジェクト用ページの校正を行っている」という期間でした。

最終的に4回ほど校正を繰り返しましたが、「最初のバージョンに比べて格段に見やすくなった」と思ったことを覚えています。この校正作業を、他のサイトが行っているかどうかはわかりませんが、結果的には良い期間だったと思います。

++++++++++
4)プロジェクト立ち上げから今日で12日目ですが、「何日目で何%達成する」といった大まかな目安は持っていましたか?それに対して、ここまでの出足は期待どおりですか?

正直、当初は「お金を集めるのは難しいだろうな」と悲観的でした。自分の周りには「プロジェクトを始めた」という人はいなかったし、なにより「プロのデザイナー向けアプリ」というニッチなカテゴリを選ぶことになったため、「ほとんど人が集まらないかも」と思っていました。

しかし、最初の1週間で目標額の40%を超える資金が集まりました。これには驚きました。ほとんどの支援者が同業者であることや、最高額の10万円の支援者がすぐに見つかったこと。本当にすごい勢いで、プロジェクトの情報が、SNS 上で広がっていくことを実感しました。

++++++++++
5)「見返り」の設定にはどんな工夫をしましたか?

「クラウドファンディングに強いプロジェクトは、ガジェット系のプロジェクト」ということを事前に聞いていました。しかし、自分のプロジェクトは「アプリ開発」というものだったので、物質的なリターンが見込めない点で、何をリターンにすべきか悩みました。

その後、「クラウドファンディングは寄付というより、割引券付きの予約販売が近い」という意見を聞き、開発中のアプリの使用権を2ヶ月、半年、1年と分けて、リターンとすることにしました。資金が十分ではない起業の初期段階で、「開発する前にアプリの販売ができる」という点はすごく助かります。

++++++++++
6)クラウドファンディングを利用してみての感想をお聞かせください。

ファンディング自体は半分程度しか進んでいないので、まだ成功には遠いですが、「これを始めて良かった」と思っています。アプリのプロモーションという意味でも効果があったし、これまで面識の無かったデザイナーが、アプリの体験版を試してくれる機会も増えてきました。

また SNS を通じて、個別に「活動報告」などの情報を支援者に送ることで、これまで繋がりの薄かった人とも積極的に意見を交わすようになりました。特に嬉しかったことは、支援者になった人が、ファンディングプロジェクト自体を、継続的に応援してくれるようになったことです。

++++++++++


個人が目的を達成したいときにハードルとなる資金調達や周知の面を、プラットフォームが効果的にサポートする。オーナーと支援者は相互にフィードバックし、よりよい内容に磨いていく。プロジェクトの成立に向けて、関わっている人全員が協力し合う、そんな構図が見えてきました。

次回は、プラットフォームの方にお話を伺いたいと思います。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/5/9 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


ページの先頭へ