DAILY NEWS ★あなたの気になる特集内容は?ソーシャルボタンでシェアしよう!

番組スタッフ
NHKの朝の情報番組「あさイチ」で先週、「セクハラ」についての特集がありました。
番組の調査によると、40代からセクハラに悩まされている女性が多いのだとか。
この結果について、司会者の井ノ原快彦さんが有働由美子アナウンサーに対する「いじり方」こそセクハラなのではないかと、苦言を呈しました。

「縁結びとかそういうネタのときに、有働さんに全部振るのもどうかと思う」
「笑いがとれればいいと思っちゃいけない」

そう井ノ原さんは言っていました。

井ノ原さんの苦言を聞いて思ったことがあります。
女芸人に対するいじり方です。
テレビを見ていると、「女芸人とは、イケメンを見たら鼻息を荒くすべき」というような演出がよく目につきます。
バラエティ番組に積極的に出演するイケメン俳優、アイドルも増えました。かつてより、女芸人も数多く活躍しています。
イケメンと女芸人が共演する機会は圧倒的に増え、女芸人がイケメンを追いかけたり、告白してみてフラれたり…。1日1回は目にする演出かもしれません。
「イケメン」「女芸人」、この両者が共演するとどうなるか?と問われたら、その道のプロでなくとも、上記のような演出を思い浮かべるのではないでしょうか。

私はこうした光景を目にする度に思います。
きっと好きでもないのに、興味も無いのに鼻息を荒くしている人もいるのだろうな、と。

そして、仕事の場でも目にします。
私が携わったあるテレビの情報番組で、イケメン店員が働いている料理店のVTRをスタジオにいる出演者が見ていた際、そこにいた女芸人が、司会者からVTRに出ていたイケメン店員に何か言ってやってと求められ、そのイケメンを「食べたい」だか「注文したい」だか、そのようなニュアンスのコメントをしました。

小学校の時、よく目にした「お前、●●(女子)のこと好きなんだろ」という男子特有の無邪気ないじり方から感じられる、不快さととても似ていると思います。

女芸人のタイプによっては、「イケメン」と絡むことでとても面白くなる人もいます。本心から「イケメンと絡みたい」と願っている女性芸人もいるのかもしれません。
しかし、本人の気持ちなどわからないもの。
私は別にフェミニストでもないのですが、女芸人=イケメン好き、女芸人=モテない、結婚できない、男に飢えている…という観念の中、どれだけ多くの女芸人が傷ついてきたのだろうかと思ってしまうのです。

それが女芸人の仕事なんだから仕方がない、と考える人もいるかもしれません。
しかし、何千回も繰り返されてきた、手垢でべとべとのフォーマットがまだ面白いということを疑わない方がおかしい。
「イケメン要素」を用意しなければ、おもしろくならないほど、女芸人の質が低いなんて思いません。
かつて、どこかで誰かが成功したらしいフォーマットに乗っ取って、何度も同じような起用、演出するこそ問題。

そして何より、社会の仕組みや人の考え方、感じ方は昔よりも、少しだけ複雑になっています。
セクハラに対して、厳しさが増したこともそうです。女性の活躍が盛んに叫ばれることもそうです。
誰かいい加減に「私、イケメンなんか興味ないんでコメントしようがないですね」と言ってくれるような女芸人が登場しないと、不毛な演出のもと、どれだけ彼女たちはすり減っていくのだろうか、と勝手に心配しています。
「おもしろければ何でもいい」と主張する人がいます。
繰り返しになりますが、複雑化する時代性を鑑みると、「何でも」のままでは失敗してしまうことは明らかです。

現在、女芸人の大島美幸さんが、「妊活」のため休業しています。
妊活休業直前、大島さんの出演するあるテレビ番組で司会者の芸人がこう言ったことを記憶しています。

「勇気ある決断に拍手を」

芸人という職業、彼女の芸風や過去を考えれば、誰も宣言しなかったことをやろうとする「勇気ある決断」なのかもしれません。
しかし、この「勇気ある決断」という言葉こそ、女芸人たちが「普通」を選択できずに、自身をすり減らしていることを裏付けているようにも思われました。

スタッフ:坂本
(2014/10/23 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


ページの先頭へ