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番組スタッフ
画像共有アプリ「Instagram」の月間ユーザー数がサービス開始4年目にして3億人を突破。Twitterのユーザー数を上回るというニュースがありました。
ドラマや映画の公式アカウントも登場し、Twitterやブログではなく、Instagramで自身の日常をアップする有名人も増えています。

先日、モデルで女優の水原希子さんが自身のInstagramで「I'm in love with the rainbow」という言葉とともに、白いパンツを履いた女性の股間のちょうど真ん中に、虹のように輝く一筋の光が映っているという画像をアップ。
これが「女性器を連想させて下品だ」と非難をくらいました。

数々の批判に対し、水原さんはTwitterで「この写真に過剰に反応してる方がいますが、これは私ではないのでご安心して下さい。これはLina scheyniusという写真家さんの作品です。」と反論。

さらに「あの写真に下品とコメントされてる方がいます。エロティシズムとアートを下品と勘違いさせている方が多いと思います。
これはアートです。コンビニに並んでいるエロ本は下品です。どちらが正しいとは思いません。どちらも異なる良さがあると思います。ただそれを一纏めに下品だと判断しないで欲しい」と続けました。

「これはアートです」

「アート」に精通しない人間にとって、これほどまでに、言われた瞬間に返す言葉を奪われてしまう言葉はありません。
「これはアートです」という言葉は、理解できる人とできない人を分断します。

もちろん、理解できる人はオシャレでカッコ良くでスタイリッシュ。
理解できない人はダサいのです。
そして、わかる人がわかればいいというニュアンスを含んでいます。

確かに、水原さんがアップした写真がオシャレなのだろうなということは感じることができます。
しかし私は、おしゃれなエロスを好む若い女性はよくいますので、水原さんもそんな1人なのだろうと思ってしまいました。

これもアップする人が違えば、「下品なエロス」となってしまうかもしれません。
しかし、オシャレな水原さんがアップし、「上品なエロス」だと訴えようが「下品」だと捉える人は残念ながらいます。皆が皆、「上品なエロス」に対して寛容ではないのです。
水原さんが言うように、「エロス」をひとまとめにする人は当たり前のように存在します。

今月初め、女性器をモチーフにした作品を制作している芸術家のろくでなし子さんが、わいせつ物公然陳列などの疑いで逮捕されました。
この逮捕を受け、アートとエロスについて議論が盛り上がっているようですが、まだまだ、ろくでなし子さんの活動への理解が足りないのでしょう。

女性器アートは「表現の自由」であることは間違いありません。
しかし、それは「自由にどこでも表現してかまわない権利」ではないでしょう。
そして、「これはアートだから」と言い切ってしまうことが、「アートなら何をしてもかわない」というわけではありません。

6、7年程前でしょうか。
六本木の森美術館にイギリスの現代アーティスト、ダミアン・ハーストの作品がやってくるということで見に行ったことがあります。当時、一緒に仕事をしていた某雑誌の編集長が現代アートに詳しく、無知な私にハーストのスゴさを力説してくれたことが足を運んだきっかけです。

ハーストの作品は、牛や鮫など死んだ動物をホルマリン漬けにして展示することで有名です。
当時、私が森美術館を訪れた際も、“輪切り”にされた子牛が展示されていました。
彼の作品に対し、残酷だ、アートではないと批判する人もいるようです。
私は現代アートに詳しくはないですが、ハーストの作品は間違いなくアート。

当時、いくつかの雑誌で「とんでもない現代アートがやってくる」と喧伝されていました。
場所も森美術館。多くの人がハーストの作品を見るために訪れていました。
現代アートに無知な私は、周りの環境でもってして、「アートだ」と思い込まされてしまったのです。

しかし、奇抜な創作活動を行う人にはそれが重要です。作家本人が、あるいはその作家を敬愛する人が、活動を「アートだと」納得させる環境づくりをしなければなりません。
ハーストも当初は批判に対し、「これはアートだから」と反論したのかもしれません。
しかし、いまやハーストは世界で最も高値が付く作品を生み出す現代アーティスト。大多数を「納得」させました。

万人に伝わらない創作活動を「アート」だと納得・錯覚させるには、「外堀」を埋める必要があります。
そして、エロスをふくむ表現には、ある程度の注釈は付ける必要がありますし、見せる人を選ばなければなりません。


谷崎潤一郎は自身の変態性を文学に昇華しました。彼の作品を芸術だと評価する人もいます。
それでも私は谷崎は変態だと思います。
谷崎は例外です。多くの男にとって、エロスに貴賎は無いのかもしれません。


スタッフ・坂本
(2014/12/18 UPDATE)

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