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番組スタッフ
号泣県議へのアポなし取材、チュニジアの博物館襲撃事件で負傷した女性への強引な取材と、このところ、メディアの取材方法に厳しい目が向けられるような騒動が相次いでいます。

<フジ、号泣の野々村元議員の奇行を放送し物議>
<「あなたに断る権利はない」と怒鳴る声... チュニジア被害者「マスコミはどこも取材が強引だった」>

前者は、おととい(22日)のテレビ番組で放送された、野々村竜太郎元兵庫県議員にアポなし取材を敢行したVTR。
これは、番組側で何度も手紙で取材を申し込んでいたものの返答がなく、苦肉の策としてアポなし取材を敢行したもので、記者が「ちょっと話をきかせてください」と声をかけるものの、野々村元県議は一切応じず、逃走。
突然、記者に体当たりしたかと思えば、記者にぶつかると「痛い、痛い」を連呼。さらに、「助けてー」と悲鳴をあげながら、終始、カメラから逃げ回る滑稽な姿が映し出されていました。

文字面だけでも悪趣味な内容ですが、あの号泣会見が脳裏に焼き付いているだけに見世物としては案外、面白いものでした。
わたしは身を乗り出して見てしまったうえ、号泣会見を彷彿とさせる滑稽な姿に笑いもしました。
ただ、これはあくまでも見世物としての評価。
報道という意味ではあまりにも中身がなく、「メディアによる私刑」でしかなかったように思います。

後者は、おととい、朝日新聞と産経新聞が報じた、「チュニジアの博物館襲撃事件で負傷した女性の手記」によって明らかになったもの。
手記によると、この女性がメディア2社の取材を受けた後、あるメディアからの取材を断ったところ、そのメディアの記者から「すでにNHKのインタビューがテレビで流れていて、名前も顔も出ているからいいでしょう」と言われたのをはじめ、その後も強引な取材や物言いが続き、ショックを受けたのだといいます。

社会の関心が高い事件において、マスメディアの記者が多数押しかけ、当事者や関係者などに対して強引な取材をすることを指す、「メディアスクラム」。
近年、問題になっていますが、この騒動でもこれが発揮されてしまったということなのでしょう。

野々村元県議が今どうなっているのか。チュニジアの博物館襲撃事件の現場では何が起こっていたのか。
これらはジャンルが違うにしろ、どちらも知りたいことです。
しかし、「知る権利」や「報道の自由」のもと、人権をないがしろにしてまで知りたいことではありません。
「取材する側もひどいなこれ、完璧に弱い者いじめじゃないか」
「被害者の人権を無視した最低の行為」
おととい起きた2つの騒動に対するネットの反応を見ていると、「知る権利」や「報道の自由」という言葉を振りかざす報道を見直す時期がきているのを強く感じます。

兵庫県西宮市が今年1月から実行している、「メディアの取材を受ける際、取材の様子をビデオ撮影する」というこれまでにない対応。この対応からもその空気は感じられます。

<Listening:兵庫・西宮市の「偏向報道拒否」 テレビ取材を撮影、報道制限の恐れ>

これは、市長や職員が今後テレビ局の取材を受ける場合、取材の様子をビデオ撮影、「偏向報道」と市が判断すれば、状況次第で報道機関の取材を拒否するというもの。
市議会がこの対応の中止を求める決議案を全会一致で可決、「知る権利を制限する恐れがある」との批判の声も上がっていて、一見、やりすぎの対応にも見えますが、ここに至るまでの経緯を知ると、やりすぎとも思えなくなってきます。

西宮市がこうした措置を決めたきっかけは、1月に放送されたあるテレビ番組。
阪神大震災の被災者のために西宮市が借りている復興住宅の返還期限が9月であることを取り上げたもので、この復興住宅に住む高齢女性の声を取り上げる一方で、西宮市が入居期限の延長などの支援策を取っていることには触れなかったようなのです。
つまり、実際は支援策を取っているのに、番組では支援策を取らず、一方的に入居者を追い出しているように報じられていたわけです。

西宮市の対応は手放しで評価できるものではありません。
ただ、「知る権利」や「報道の自由」という言葉を振りかざす報道への抑止力になる可能性がある。そのように思います。

(スタッフH)
(2015/3/24 UPDATE)

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