書考空間


カンパン夫人 フランス革命を生き抜いた首席侍女
イネス・ド・ケルタンギ (著)
税込価格:3,132円
出版社:白水社
ISBN:978-4-560-09259-0

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表題となっている女性アンリエット・カンパン(1752-1822)は前半生をマリー・アントワネットの侍女として生き、革命後は女子の為の学校サン・ジェルマン学院を設立し女子教育に後半生を捧げた。革命で全てを失いながらも激動の時代を生き延び苦労しつつも成功し充実した生涯を送れたのは教養の力によってである。マリー・アントワネットとの交誼、王制時代の貴族社会の描写等、無名の一個人の伝記だが華やかで楽しく読める一冊。
しかし教養さえあればと言うものでもないケースもある。江戸期の女性思想家、只野真葛(1763-1825)、学問を好み文筆活動に目覚め滝沢馬琴とも交流があったが、後に絶交され失意のうちに没した。著作『独考』は早すぎる女性解放、闘争の書とも言われている。只野真葛に関しては『只野真葛』(関民子著吉川弘文館)『葛の葉抄』(永井路子著文春文庫)を。ほぼ同じ時期に学問・教養を武器に生きた二人の女性の対照的な生涯である。


(評者:丸善丸の内本店 人文書担当 荒 由子)


(2017/5/4 UPDATE)

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