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心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで
キャスリン・マコーリフ (著),西田 美緒子 (訳)
税込価格:2,484円
出版社: インターシフト
ISBN:978-4-7726-9555-8

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吸虫、ハチ、などの寄生生物は宿主の脳神経に影響を与え感情や行動、時には外見すら操作している…。
本書は寄生生物が持つ特殊な操作能力を解き明かすもの。
「操作」の域を超え、宿主の思考を「支配」し、「ゾンビ化」してしまう寄生生物もいます。
例えば、カニに寄生するフジツボの仲間、フクロムシ。この寄生虫は巧みにカニに取り憑いた後、なんと「不妊」にしてしまいます。「不妊」は宿主を操作する寄生生物の得意技なのだとか。
体の成長も止まり、フクロムシの栄養補給と繁殖を助けるためだけに生きるカニ。フクロムシのために育児嚢を露出させ、そのにおいに誘われたオスのフクロムシの幼生がメスの卵を受精させてしまいます。
カニはフクロムシの育児を繰り返すゾンビ、ロボットと化してしまうのですが、さらに恐ろしいことに、フクロムシはオスのカニもメスに変えてしまい、同じことをしてしまうのです。

ただの生きる手段がこんなにも恐ろしくて魅力的なのえでしょうか。
挿絵もなく紹介される、信じられないような寄生生物の生態に想像力を掻き立てられ、明確なビジョンが浮かび上がってしまうのですが、その都度、「うわ、想像しすぎた!」と頭の中をリセットしてくなる。でも、また読みたくなる…。
本書はホラー小説を読むよりも興奮させてくれます。
事実は小説よりも奇なりというのはまさに本書で紹介される寄生生物のことだと思わざるを得ません。

スタッフ坂本
(2017/5/9 UPDATE)

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