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平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学 (草思社文庫)
M.スコット・ペック (著), 森 英明 (訳)
税込価格:998円
出版社:草思社
ISBN:978-4-7942-1845-2


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世界初のiPS細胞を使った移植手術をしたと名乗り出たものの、すぐさま虚偽と判明し、さまざまな詐称が明らかになった森口尚史氏。そして、虚偽の忌引休暇を5年間で12回にわたって不正取得したとして、停職6カ月の処分を受けた愛知県建設部の課長補佐級の男性職員。

「平気でうそをつく人」に該当する人物を取り上げたニュースを、ここのところ、よく目にするような気がします。なぜ、彼らは調べればすぐバレるようなウソをついてしまったのでしょうか。その心情に強く興味がそそられるとともに、1996年に発売され、50万部のベストセラーになった本書のことを思い出し、あらためてその内容を確認してみました。

精神科医の著者の数ある指摘の中で興味深かったのは、過失で悪事を行ってしまうのではなく、強い確信をもって悪事を行う人がこの世には存在する、そして、そういうタイプの人たちは、ときに自分のついたウソが真実であると思い込むことができる、というものです。

ウソを一切つかない人など、この世にはおそらく存在しません。ただ、ウソには、ある程度の「罪悪感」がつきまとう、それが普通の人の感覚でしょう。その「罪悪感」を一切感じない、著者の言う“邪悪な人”がこの世に存在している・・・理解に苦しむ、このおかしな現実を認識できただけでも、今後、不特定多数の人と関わっていくうえで、大きな収穫のように思えました。

(評者:タイムラインスタッフH)
(2012/11/9 UPDATE)

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