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ポエムに万歳!
小田嶋 隆 (著)
税込価格:1,404円
出版社:新潮社
ISBN:978-4-10-334951-8


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コラムニスト・小田嶋隆氏がポエム化する日本をぶった切る本書。日本にはびこる、意味より雰囲気重視のポエムの数々。気持ちの悪いスピーチで話題となった「居酒屋甲子園」も記憶に新しいところですが、小田嶋氏が言及しているのはポエムだけではありません。本書では今の「お笑い」についても舌鋒鋭く、その劣化について解き明かしています。

今月3日に放送されたフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」で、当初番組予告に「阿呆方さんが 緊急会見涙目で○○はあります」と掲載され、小保方晴子氏のパロディーコントを行われる予定でしたが、放送日前日に予告から消え、放送されなかったことが話題となりました。この件に関して、小保方氏の代理人弁護士が放送前日にフジテレビに抗議文を送付していたことも明らかとなっています。
また、6日に放送されたテレビ朝日系「ロンドンハーツ」で、小保方氏のモノマネがあったことで、MCの田村淳さんのツイッターに批判が殺到して炎上しています。
この問題に関しては賛否両論あるようで、「笑い」なんだから許してあげなよ、いやそもそも弱っている人をいじるのは「笑い」じゃないといった意見が見られるようです。

何かと質の低下が問われるようになってきた「笑い」。小田嶋氏は、問題は「質」ではなく「頻度」にあると言います。昨今のテレビを見てみると、どの番組も芸人だらけです。芸人だらけである以上、どの番組でも「笑い」を取ること絶対正義とされています。
そんな現在の笑いの「頻度」に小田嶋氏は疑問を投げかけます。人間はそんなに笑う必要があるのか、と。
テレビの風潮に影響されてか、私たちの日常生活の様々な場面でも、笑いを取ることが良しとされます。会議しかり、飲み会しかり、面接しかり…。確かに「笑い」は人を幸せにするもではありますが、笑いの量産により質が低下してしまい、何となく面白いだろうという雰囲気の「笑い」で、その人の能力を測ってしまいがちです。

作る側は「“笑い・ボケ”なのになぜ許容できないのか」と受け入れない視聴者を批判します。しかし、受けて側に立ってみると、何でもかんでも「ボケ」にされたら、たまったもんではありません。劣化したと言われる「お笑い界」の中、本当に面白いものを見つけることがただでさえ困難なのですから。

評者:スタッフ・坂本
(2014/5/7 UPDATE)

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