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テロリスト・ワールド
真鍋 厚 (著)
税込価格:2,484円
出版社:現代書館
ISBN:978-4-7684-5782-5


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ベルギー(3/22)、イラク(3/25)、パキスタン(3/27)と世界各地でテロが頻発しています。そのせいか、毎日のように目にする「テロ」という言葉。
本書はこの「テロ」という言葉に着目。テロを題材とする評論、映画、小説、漫画を網羅的に読み解き、テロという言葉が何を生み、受け手をどこへ導くのかを考察した、いわば「現代のテロ論」。
著者はまず、テロという言葉は「悪」と同義になっており、こうした単純化が「世界の複雑性」からの逃避であると警鐘を鳴らします。
そしてマハトマ・ガンディー、ネルソン・マンデラもかつては「テロリスト」と呼ばれたことにも触れ、「正しさ」の評価軸は時代によって変動するとの指摘、「社会の不条理」よりも「社会の悪」を信じたがるゆえ、悪を取り除けば丸く収まるという妄想が世界に蔓延しつつあるとの指摘など、考察は示唆に富んだものばかり。
テロという言葉が持つ「=悪」のイメージを覆し、テロについて深く考える視座をくれる今必読の書です。

(評者:スタッフH)
(2016/4/5 UPDATE)

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