DAILY NEWS ★あなたの気になる特集内容は?ソーシャルボタンでシェアしよう!

番組スタッフ
2016年9月、横浜市の旧大口病院で起きた「連続中毒死事件」。
事件発覚直後から看護師の関与が盛んに報じられていましたが、結局、逮捕されず、この事件のことも忘れかけていました。

そんな中、大きな動きがあったのが先週末。
この病院で看護師をしていた女が殺人容疑で逮捕されました。

*****
横浜市神奈川区の旧「大口病院」では、おととし9月、同じ病室に入院していた西川惣藏さん(88)と八巻信雄さん(88)が相次いで中毒死しました。
2人の遺体などから、消毒液などに含まれる「界面活性剤」が検出されたたため、警察は、何者かが点滴の薬剤などに消毒液を混入させた殺人事件として捜査していました。
その結果、当時、看護師として勤務していた久保木容疑者が点滴に消毒液を入れたと話したことなどから、2人のうち西川さんに対する殺人の疑いで逮捕しました。
<「NHK NEWSWEB」2018/7/7>
*****

逮捕された女は動機について「自分が勤務のときに亡くなると、家族への説明が面倒だった」などと説明。
また、10日朝にアップされた朝日新聞デジタルの記事によると、女は逮捕される前の任意聴取で「自分の勤務中に亡くなるかもしれない容体の悪そうな患者を選んで、消毒液を混入した」という趣旨の供述。
一方で、容体がそこまで悪くなかった患者も含まれていたといいます。

「容体悪そうな患者選んで消毒液混入」殺人容疑の看護師(「朝日新聞デジタル」2018/7/10)

女の逮捕後、にわかに注目を集めているのが、療養病棟に勤めるナースだというツイッターユーザー「しがないナース」さんの一連のツイートです。

高齢者延命の実情(「しがないナース@Angelfishmanbo」2018/7/8)

逮捕された看護師がしたことは「許されることではない」という言葉を交えながら、高齢者への延命治療の問題点を指摘しています。

まず、高齢者への延命治療の実情をこう説明。
*****
私も一歩間違えば大口病院で事件を起こしたナースと同じだったかもしれない。
療養病棟で生かし続けられている人達に楽しい事なんて無い。綺麗事無しに生き地獄。
笑顔が出たり、アイコンタクトが出来る人は別ですが、そうで無く毎日苦顔に顔を歪めながら延命されている人がたくさん居るのです。
*****
*****
もし自分が身体も折れ曲り固まり、肌着すら袖を通せない程に変形し、思っている事も言葉に出来ず、自分の爪が食い込み褥瘡が出来、それを治そうと毎日洗浄され薬を付けられ、痰が溜まれば鼻からチューブを入れられ吸引され苦しい思いをし、栄養剤に繋がれて強制的に命を伸ばされたら死にたいよね。
*****

さらに、お金という側面から浮かび上がるシステムの問題点を指摘。
*****
療養病棟は定額制で入院費は月50万円程。その内9割は国の負担つまり税金。本人が払うのは1割で月5万円位。
入院させておけば年金でおつりが来ます。病院も家族も儲かるのです。家族が、国民が、生かしているのです。怖ろしいシステムです。
*****

そして、「苦しいだけの延命はやめよう」と訴えています。
*****
私が何を言いたいかと言うと 苦しいだけの延命はやめようよ。
苦しい延命で家族が得をする今の高齢者医療制度はおかしいという事。
苦しむ患者様を安らかに看取りたい、家族が看取る事を許さない。
療養病棟は日額定額制なので高い麻薬は使えない。
患者様達は死刑囚より苦しい最期を迎えている…
*****

実名の投稿ではないので、どこまでが真実なのかは分かりません。
ただ、同じような実情を、『穏やかな死に医療はいらない』(朝日新聞出版)の著者で、緩和ケア診療所「いっぽ」の医師、萬田緑平さんも指摘しています。

*****
延命治療の弊害の一因は「家族」です。そして、患者さんが幸せな最期を迎える鍵も家族が握っていると、ぼくは思っています。
家族は、心から患者さんの治癒を願います。患者さんには「頑張れ!」と励ましの言葉を送り、医者には「なんとか、助けてください」と懇願する。患者の容体を心配する家族。ごくごく当たり前の関係性です。
(略)
要するに、患者さん本人よりも家族の願いが中心になっていく。患者さんがあまり強い意志を持たない高齢者の場合は特に顕著で、「家族の嘆願」→「それを受けた医師の治療」→「患者の疲弊」という流れに陥りがちです。そういうことが数限りなく繰り返されてきています。
<「プレジデントオンライン」2015/5/5>
*****

しがないナースさんが言うように、看護師の女がやったことは許されることではありません。現時点では延命治療に接していたことが動機につながったのか、確定はしていません。
そうした中、拡散している、しがないナースさんのツイートには批判の声が少なからずあがっています。
批判する気持ちも分からないではありませんが、個人的には、まったく把握していなかった延命治療の問題点を知るきっかけになったこともあり、意味のあるツイートだと評価しています。
また、今後、延命治療の問題が大きく議論され、何かしらの変化が訪れることを願ってやみません。

(スタッフH)
(2018/7/10 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


ページの先頭へ