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暴力的風景論 (新潮選書)
武田 徹 (著)
税込価格:1,296円
出版社:新潮社
ISBN:978-4-10-603749-8

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沖縄の米軍基地、連合赤軍と軽井沢、村上春樹の物語、オウムと富士山、酒鬼薔薇とニュータウン…戦後日本を震撼させた事件の現場を訪ね、風景に隠された凶悪な“力”の正体に迫る本書。
オウム真理教の元代表、松本智津夫(麻原彰晃=63)ら7人の死刑が執行されたと報じられました。
オウム真理教による一連の事件をきっかけに、「社会が変わる」いや「変わった」と捉えられるようになりました。
本書の著者はそんな考え方に異議を唱えます。変わったのは社会ではなく、「見え方」=「風景」だと。

「多くの人は「風景」が変わって見えるようになったことを日本が変わったと言っているのではないか」

「風景」とは外部世界を「そのように」見ている「内面」の現れであり、「世界観」と呼ばれてきた概念であり、「物語」であると著者は言います。

自身の内面から見たいように見える「風景」を、主義主張の異なる他者が理解することは困難を極めます。
しかし、311以降に露わになったかもしれない数多の軋轢を思い浮かべると、他者の「風景」を想像し、否定しないことがいかに重要であるかを
おそらく今後も「風景」が違うがために良からぬ出来事が起こるかもしれません。そんな時に落ち着いて一考するために、本書はとても役に立つでしょう。

スタッフ坂本
(2018/7/10 UPDATE)

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