書考空間



国道16号線スタディーズ 二〇〇〇年代の郊外とロードサイドを読む
塚田 修一 (編著),西田 善行 (編著)
税込価格:2,160円
出版社:青土社
ISBN:978-4-7872-3435-3


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神奈川県横須賀市から千葉県富津市までの首都圏の郊外を環状に結ぶ「国道16号線」。私は車の運転はしないのですが、この国道には魅了されます。
「郊外が濃縮されている」という社会学的な分析の面白さに妙に惹きつけられているからなのですが、本書は期待を裏切らず、大学教授など8人の著者が各々の視点でこの国道の社会学的な意味を描き出してくれています。
国道16号線を扱った2つのテレビ番組「ドキュメント72時間」(NHK)と「キンシオ」(テレビ神奈川)を比較し、国道16号線の紋切り型な捉え方を再考したり、国道16号線的なるものを構成するアイテムの一つである「鉄塔」に着目し、深堀したりと、どの切り口も斬新。
「おわりに」では総括的に「国道16号線とは何だったのか」という問いに対する一つの答えを提示していて、それがとくに秀逸でした。
「国道16号線を走行していると目に入ってくるのは、(略)学校、結婚式場、ラブホテル、大型病院、メモリアルホール…まさに『生と死』を形作る場がそこに配置されているのである。(略)鉄塔がそうであるように、16号線は『生と死』を『むき出し』にした空間なのかもしれない」
私は『生と死』をにおわせる「ドキュメント72時間」を好んで見ているのですが、私のような“癖”がある人には強めに「読め」と推したくなる一冊です。

(スタッフH)
(2018/7/11 UPDATE)

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