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番組スタッフ
サッカー・ワールドカップも間も無く幕を閉じようとしています。
本当のサッカーファンにとっては、今が一番興奮する時なのでしょうか。

先日、何気なくテレビをつけていたら、イングランド対スウェーデン戦がやっていてので、そのままにしておいて最後まで観戦しました。
サッカーの知識を持ち合わせておらず、今回、観た日本戦も1戦だけなのですが、放送していたチャンネルがNHKだったということもあるでしょうか。
”騒がしくない”と感じました。余計な感情が省かれているような気がして、実況する人が冷静であるような気がして、何やら観戦に集中していられるような気がします。
しかし、”騒がしくない”から観ただけであって、今後もずっとサッカーを観ようと思うほどではありません。
なぜ継続的な興味がわかないのか。4年に1度、自問自答していたのですが、元サッカー日本代表の選手が書いていたブログが私にとってその答えでした。
その元代表選手とは、今大会で解説者も務めていた戸田和幸氏。
ブログで日本のサッカー中継、伝え方、演出方法について綴っています。

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昨日のフランスvsウルグアイ戦。
エムバペvsスアレスと銘打たれた前枠が1時間に渡り放送されていましたね。
試合中にも右上に「神童エムバペvs怪物スアレス」というテロップが出ていることを確認しながらのライブ中継となりました。
(略)
例えば昨日の前枠をサッカーに詳しくない人が見たとして。
そのままの流れであの試合を見た時に、何を思うのか。
何を感じるのでしょうか。
間違っても、エムバペvsスアレスではない昨日の試合が。
エムバペvsスアレスとなってしまった時に。
前枠から番組を見たサッカーに詳しくない人達は、どんな風にあの素晴らしい試合を見てくれたのか。
ずっと考えています。

【KAZUYUKI TODA OFFICIAL BLOG「伝え方」】
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サッカーど素人ながらも抱いていたサッカー(その伝え方)に対する違和感のようなものを、サッカーを知り尽くした戸田氏が自身のブログでど素人にもわかるように言語化してくれたのです。

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今まで一度もサッカーを見たりプレーした経験のない人が昨日の試合を見たとして。
何をどうやったとしても、一晩でサッカーとワールドカップレベルの試合について、理解できることはありません。
【KAZUYUKI TODA OFFICIAL BLOG「伝え方」】
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戸田氏がこういうように、その時のプレーの何がどうすごいのかその場その場で説明してくれることはあるけれども、サッカーど素人である私にとって、その時になされた説明は次に生かされるものではありません。
ワールドカップでの一戦と他クラブチーム同士のそれの違いなんて理解できるはずもなく、4年に1度のお祭りくらいにしか思っていないと言えます。
4年に1度しかないサッカーのワールドカップをいかに盛り上げるか。伝える側の人間はあの手この手を講じています。
往々にして用いられるのが、特定の人物とその物語にフォーカスし、技術的な知識がない人にも観てもらうという手法です。

「サッカーとは絶対的にチームスポーツだということを念頭に置いて選手生活を送り、引退後の仕事にも打ち込んできた」という戸田氏は、特定の人物に焦点を当てることについて次のように述べます。

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サッカーというスポーツは、1人の選手が90分行われる試合の中でボールに触れられる時間は2分から3分と言われています。
2分から3分です。
メッシ、ロナウド、ネイマール、エムバペ、スアレス、アザール、デブライネ、ケイン。
こうした、トップレベルの選手達の遥か上にそびえ立つワールドクラスの選手達であっても。
一つの試合でボールに触れられる時間は、多くてもたったの3分です。
(略)
サッカーはあくまでもチーム単位で結果を競うスポーツなので。
ピッチに立つ22人の中の、たった2人にフォーカスした話はどうやっても出来ませんし。
逆にサッカーの理解、試合の理解、彼等2人に対する理解から離れていくことになってしまいます。
自分の仕事が日本におけるサッカーの未来に繋がるという責任を最大限感じながら、今回の仕事にも臨みましたが。
全くサッカーを見たことのない人に、1度のサッカー中継をもってサッカーを理解してもらうことが出来るはずがありません。
【KAZUYUKI TODA OFFICIAL BLOG「伝え方」】
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では、戸田氏は限られた制約の中で、どんなサッカー中継を望んだのか。

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願わくば、せっかくの1時間の前枠の中での両チームの紹介と。
後枠の1時間の中での試合の振り返り。
これをしてみたかったと。
試合前にはそれまでの勝ち上がりの様子、スター選手を中心とした形でよいので、それぞれのチーム構成について紹介しながら、どんな闘い方を選んでくるのかという話を。
試合後には試合映像を使いながら、何が試合を分けたのかについて改めて振り返りを行いつつ。
スーパースターの凄さや、チームが如何にしてスーパースターを支えているのかについて話をする。
こんなことをやってみたかったです。
時間をかけて、丁寧に。
チームから話を始めスター選手までカバーすることが出来たら。
間違いなく、サッカーの楽しさを知ってもらえるきっかけを与えることが出来ると。
【KAZUYUKI TODA OFFICIAL BLOG「伝え方」】
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繰り返しになりますが、私はサッカーに関しては全くのど素人ですので、サッカーの本質、魅力はわかりません。ただ、サッカーに興味も知識も全くない私が、戸田氏のブログを読み、そんな構成の中継があったなら観てみたいと思ったことは事実です。

勝とうが負けようが、日本代表には「称賛」という言葉があてがわれます。これが良いことなのか、悪いことなのか、私には判断がつきませんが、敗北したその時までの4年間で何がどう向上しているのか。
サッカー通がこぞって見るメディアでは、もちろん技術的な解説で今大会が総括されていることでしょう。
しかし、私のような無知な人間は、テクニカルな面においてあまり説明がなされていないまま、「世界が称賛」という言葉を使われても、それって本質ではないよねと虚ろな気持ちになってしまう。

感情を動かすような物語は、時としてその本質の在りかをうやむやにしてしまいます。
あるサッカー通から、かの松木安太郎氏もCSチャンネルではキャラを一変させ、感情に重きを置いた実況ではなくテクニカルなそれをおこなっていると聞きました。
CSを見るほどの能動的ではないけど、誰かが”こう見て欲しい”と練り上げられたストーリーを素直に観るほど受動的でもない。
もっと「伝え方」が良ければ興味をそそられるのに・・・と思わされることは何もサッカーに限った話ではありませんが、願わくば戸田氏がいうような解説を色々なスポーツで観てみたいものです。

スタッフ坂本
(2018/7/12 UPDATE)

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