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人間の解剖はサルの解剖のための鍵である
吉川浩満 (著)
税込価格:2,376円
出版社:河出書房新社
ISBN:978-4-309-02708-1


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本書は、人工知能、ゲノム編集といった進化と声明にかかわる技術の発展によって、人間が抱く「人間観」がどう変わったのかを考察するもの。
著者が3年前から書き下ろしてきたエッセイやインタビューなどが収録されていて、それらを通して「人間観」の変容が感じとれるような構成になっています。
たとえば、想定外の遺伝子変化が起こるというネガティブな指摘もある「ゲノム編集」について。「もはや状況は人間の遺伝子情報が変えられるかどうかではなく、いつどのように変えられるかという局面になっている」と現状を踏まえたうえで、養老孟司さんの「ヒトには悪い癖がある。それは可能なことならやろうとする、という習性である。(略)行為には、行われてしまえばそれまで、という面がある」という言葉を引用し、このように持論を述べます。
「可能なことは実行される。そうである以上はその流れに背を向けないで様子を見ていこう。それがいまのところの私のスタンスである」
人工知能にしろ、ゲノム編集にしろ、新たな技術には脅威がつきもの。ただ、その脅威に抗おうとしても抗うこと自体が不毛なのかもしれません。

(スタッフH)
(2018/8/1 UPDATE)

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