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世界から消えた50の国 1840−1975年
ビョルン・ベルゲ (著),角 敦子 (訳)
税込価格:3,024円
出版社: 原書房
ISBN:978-4-562-05584-5

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短い期間のみ実在し、消えた50の国を紹介する本書。植民地主義、帝国主義、移住ブーム、戦争が入り乱れていた時代を背景に、歴史の片隅に実在した国の知られざる運命を記します。
本書が他の歴史本と少し違うのは、実際に消えてしまった国で使われていた「切手」を元に、その国の歴史や文化を紐解いている点です。
「切手」は何を語るのか。著者によると・・・「切手は、その国が実在していたことを示す動かぬ証拠になる。(略)国というのはどこまでも、他国から見られたいように体裁を整えるものだ。(略)切手はプロパガンダとみなされなくてはならない。」

権力者の暴走、抗えぬ時勢、様々な理由でこの世界から消滅した国々。
戦争も地図から国を消し去ります。
本書で取り上げられる国の中で、日本人にも馴染み深いものが満州と琉球。
文字通り、“実験国”として日本に生み出された満州。軍国主義の犠牲とも言える、集団自決がおこなわれた琉球。
満州で使われていた切手には、平和を象徴する鶴が海を渡る様子が描かれていますが、下の端には、軍船の旗竿が少しだけ見えています。
平和の鶴も虚しく、拡張しつつある日本の軍事機構のために、満州を実験場にして化学・生物兵器の開発が進められていたのはご存知の通り。そこでは行われていた人体実験の被験者は中国人とロシア人を中心に1万人以上、他の場所を加えると100万人以上にのぼるのだとか。

戦争について想いを馳せる季節です。“消えた国”からも戦争について多くを学ぶことができます。
(2018/8/6 UPDATE)

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