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シュワルツェネッガー主義
てらさわホーク (著)
税込価格:1,728円
出版社:洋泉社
ISBN:978-4-8003-1532-8


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本書は、36年間、シュワちゃんの作品を見続けてきたという著者が、シュワちゃんのこれまでの人生(ボディビルダー⇒ハリウッド俳優⇒カリフォルニア州知事⇒その後)を振り返るとともに、主演作で残した“爪痕”をこと細かに分析するもの。
たとえば、1987年公開の『プレデター』では、残虐な宇宙人に登場人物がひとりずつ血祭りにあげられていく映画で、日本でのコピー「だが今度は襲う相手を間違えた」に着目する著者。
このコピーが映画の全てを語り尽くしているといい、次のようにこの映画の魅力を語ります。
「多くのスラッシャー・ホラーでは、非力と見えた主人公の女性が最後に生き残る姿が描かれる。『ファイナル・ガール』と呼ばれるそんな役回りを世界最強の男が演じるとともに、この作品の異常性がある」
異常なのは作品の中にとどまらず、シュワちゃん自身もそう。自身の立てた目標は何が何でも実行し、その過程で人を蹴落とすことには何の罪悪感も覚えない。時に人を人とも思わず、自分が成功することを人生の第一義に置く。
こうした最悪な人間性を踏まえ、著者はシュワちゃんが人を惹きつける理由は「過剰性」にあると説きます。
「馬鹿な子どもは何かエクストリームな存在に魅かれるものだ。たとえば怪獣王ゴジラの体重が2万トンないし5万トンと聞かされれば、その途轍もない重さにテンションが上がる。(略)アーノルド・シュワルツェネッガーにしても同じことだ。無闇に長い名前の筋肉ダルマが次から次へと無造作に人を殺す。(略)どうにも理屈の通用しない、その暴力的な魅力。それこそがシュワルツェネッガーをスターたらしめた要素であったのだろう」
ジェームズ・キャメロンがメガホンをとる『ターミネーター』シリーズ最新作に出演が決まっているシュワちゃん。子どもの頃、釘付けになったあの姿がまたスクリーンで見られることを想像し、胸が騒ぐのは私だけではないはず。
演技がドヘタでもなぜか目が離せない、その理由を明らかにするシュワちゃんファン必読の書です。

(スタッフH)
(2018/9/6 UPDATE)

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