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番組スタッフ
荷物でランドセルが重くなりすぎないようにするよう、文部科学省が全国の教育委員会に通知したニュースがありました。

【日本経済新聞:「重いランドセル」解消へ工夫を 文科省が通知へ】

学校に持っていくカバンはなぜこんなに重いのか。
学校に通う荷物の理不尽な重さには、多くの人が悩まされてきたのではないでしょうか。

多すぎる教科書のせいで、弁当をゆったりと入れるスペースが用意できず、いわゆる「寄り弁」になってしまったり、フルーツの甘い汁が白米に侵食することに泣いていた日々。 自転車通学をしていた学生にとっては、荷物が重くてうまくハンドルを裁けなかったりするわけです。
そういえば、中学時代のクラスメイトは下校中、カバンが重すぎて持ち手が引きちぎれるという悲惨な目に遭っていました。
重すぎる荷物は「勉強に勤しんでいる証拠」ではなく、「勉強という学生の本分以外でリスクになるもの」。と、私は思っています。

SNSを中心にネットの反応を見ると、このニュースには体感でほぼ肯定的な意見が占めているように思われます。
しかし先日、40代後半の人とこのランドセルの件について話していたら、「これ以上、子供を甘やかすな!」と怒っていました。冗談かなと思い、真意を確かめるとかなり本気のご様子。
市民権など絶対得ているわけがないと思われる「パワハラ」についても、「なんでもかんでもハラスメントをつけやがって!」とその被害を訴える方にも問題があると主張します。

ネットではまるで厄災のように扱われている、2020年の東京オリンピック開催についても全面賛成。
最近では否定的な意見が目立つようになった高校野球、夏の甲子園についても全肯定。

その人はインターネットからはあまり情報を得てはいないようですが、多読家かつ複数紙の購読者。
それなりのインプットがあり、確固たる自信を構築して、そう主張されているのでしょう。
「空気に流されない」その人に、畏敬の念を感じると同時に、自分がいかに自分に都合の良い情報ばかり選んでしまっているかを痛感させられました。

インターネットのニュースを見る際、習慣になってしまったのが、その記事を読んだ人の反応の確認です。
読んだ人の反応がわかるというのは、ネットニュースの大きな利点の1つ。
ニュースが掲載されている場所によって反応、コメントは違うのですが、大抵、評価システムが備わっています。より多くの共感を得ているコメントが目につきやすくなっていますが、それらを見て新たな視座を与えてくれるなと感心するものもあれば、なぜこれが支持を集めているのかと不思議に思わされるものも。
しかし、高く評価されているコメントとは真逆の感想を自分が抱いてしまうと、自信がなくなるとは言わないまでも、堂々とそのコメントを寄せることはできません(やらないのですが)。
「評価機能のついた声の可視化」が、昨今問題視される社会の断絶を生んでいる一つの要因となっているのでしょう。

違う意見による断絶は、やはり東日本大震災以降、加速したような気がします。思い返すと、あの日をきっかけに連絡を取らなくなった友人・知人は何人かいます。
彼らに共通するのは、災害や原発事故をテーマに自分たちの嫌いなものを攻撃し、自分の選択こそ正義だと主張する物語を SNSを中心に発信していたこと。思想の左右は関係なく。

震災から7年以上が経過し、SNSの性質によって思想や主義の断絶がより鮮明化する今、ネットではないリアルの場で、自分の中で構築された意見と180度異なる人の存在は改めて重要だなと思わざるを得ません。

上述の40代の人は、どこか遠くから来た異文化の人かと思ってしまうほど、私の中で育まれた思想とは違っています。しかし、まともに会話はできる。むしろ楽しい。その人が読んだ本を勧められて読んでみると、面白かったりもする。

違う意見に触れると、やはり精神力を消耗してしまいます。タコツボ化や断絶が加速する時代において、リアルの場でこのような全く違う人との接触、交流は非常に重要です。
ネットの声は発言者の人間性がよく見えないので、気軽に「いいね」できますし、否定もできます。
人間性をそこそこ知っており意見の違う人が周りにいるなら、脊髄反射で否定することもないでしょう。
人間には自分が見たいものを見て、聞きたいものに耳を傾け、信じたいものだけを信じる性質が備わっています。自分の視座が自分に都合よく構築されたものではないか確認するためにも、「断絶」を最悪の事態に進めないためにも、共感できないけど人間性は嫌いじゃない人の存在は大切だと気付かされます。

スタッフ坂本
(2018/9/6 UPDATE)

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