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AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)
小林 よしのり (著), 中森 明夫 (著), 宇野 常寛 (著), 濱野 智史 (著)
税込価格:882円
ISBN:9784344982734


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AKB好きを公言している、著名人は数多い。
有名なところでは、「ゴーマニズム宣言」などで知られる、漫画家の小林よしのり氏。その熱すぎる想いのせいか、AKB批判に対する反応は激烈。AKB批判をした自民党の石破茂氏に対しては、「馬鹿丸出しのノスタル爺。軍事プラモに入れ込む方が理解できない」などと自身のブログで批判を展開、物議を醸しました。
本書は、この小林氏をはじめ、中森明夫氏、宇野常寛氏、濱野智史氏という、AKBにハマっていることを公言している4人の論客が、“なぜAKBだけが売れ続けるのか”を語り尽くしているものです。

本の内容にいく前に、まずおさえておいていただいたいのが、わたしはAKBの“アンチ”でも“ファン”でもないということ。そんなわたしが、なぜ本書をすすめるのか。
それは、本書がAKBという素材を使い、今の日本が抱える問題点を“ある意味”で浮き彫りにしていると感じたからです。

わかりやすいところで言えば、“選挙のあり方”について。小林氏は「AKBの総選挙」をひきあいに出し、『現実の政治は「チルドレン選挙」になっていて、そのとき風が吹いている小泉や小沢や橋下にすり寄れば当選しちゃう。でもAKBの選挙は、みんながメンバーの活動ぶりを1年間見た上で、誰がいいかを決めるわけでしょ。こっちのほうがよほど健全だよ』と指摘。
そうかと思えば、宇野氏は、選挙の根源とも言える“人が誰かを推す”という行為について、結局「推す」っていうことがないと、今は社会って成り立たないんじゃないかと思う。要するにこれは自分とは何の利害関係もない人を、それどころか関わりすらない人を応援するってことなんです。だから責任も伴わないし、お金で買えるものです。けれど、そういう想像力がないと社会は成り立たない』と分析するといった具合。

一方、肝心な現実の政治はといいますと・・・今日、細野環境大臣が取りざたされていた代表戦出馬を見送るなど、次期衆院選に向けた“顔”選びが混沌の様相を呈しています。
現実の政治で行われているこうした茶番を目の当たりにすると、小林氏、宇野氏の主張も一理あるのではと思えてしまいました。
票を投じたいと思わせる期待感のある政治家が不在の今、“人が誰かを推す”とはどういうことなのか、問い直させてくれる一冊です。

(評者:タイムラインスタッフH)
(2012/9/7 UPDATE)

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