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すごいインド なぜグローバル人材が輩出するのか (新潮新書)
サンジーヴ・スィンハ (著)
税込価格:778円
出版社:新潮社
ISBN:978-4-10-610585-2


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先日、ソフトバンクの孫正義社長が、今後数年間でインドに100億ドル(約1兆780億円)の投資を行う考えを表明しました。
インターネットの急速な普及が見込まれるインドは次なるフロンティアとして、いま注目を集めています。
本書の著者は、インドで最高のエリート大学である、IIT(インド工科大学)を卒業後、23歳で来日して以来、ずっと日本で働き続けるコンサルタント。
インドと日本のかけ橋となることが使命だと考える著者が、国民の間の格差、多様性、人口構成、経済の成長速度、組織のあり方など、あらゆることが日本と対照的なインドという国の「これまで」、そして「今」について解き明かしています。
過去20年で劇的な変化をとげてきたインドからは、世界的組織のトップに就任するような優秀なグローバル人材が多く輩出されており、シリコンバレーの企業のうち8社に1社はインド出身者が起業しているといいます。

そんなインドはいま、大都市を中心に「新しいインド」が急速に広がりつつあるという。
カースト制への意識が薄い「新しいインド」では、出自よりも個人の実力が重視され、高等教育を受けているため、英語力が高い人が多い。ITや通信、ハイテクといった現代的な産業で働く中間層が象徴的な存在。
一方で、「古いインド」も共存しており、そこには、今もカースト制の呪縛が残っていて、教育水準は低く、経済効率は悪いままで、人々は貧困の中で暮らしているといいます。

スマートフォン片手に街を歩くビジネスマンの姿も増えているが、フェラーリの脇を牛が歩いていたり、高層ビルの近くにスラム街が残っていたりと、まだまだ落差の激しいインドは、国民の平均年齢が20代半ばというまさに「これから」の国。
本書は、そんないま世界から注目を集めるインドを知るための最良の入門書と言えます。
「カレー」「ヨガ」「ガンジス川」といった昔ながらのイメージしか持っていない人には、驚きの一冊となるでしょう。

(評者:スタッフ・武市)
(2014/11/4 UPDATE)

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