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DAILY NEWS

【コレって、どうなの?】 Vol.38『行儀よく始まり行儀よく解散するデモをやり続ける意味』

番組スタッフ
昨日、番組でも取り上げた、毎週金曜日の夜に行われている「首相官邸前デモ」。

先週の金曜は、雨にも関わらず、主催者によると約15万人の参加者が集まるなど、デモの規模は拡大を続けていますが、その一方でこうした状況に水を差すかのような、ある2人のデモに対する見解が、今ネット上で物議を醸しています。

ひとりは、オウム真理教の元外報部長で「ひかりの輪」の代表・上祐史浩氏。
物議を醸しているのは、上祐氏が週刊誌に語った以下の内容です。
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「これほどデモをやってるのに再稼働が止められない、政治が変わらない」という不満も聞きますが、それは、それぐらいしか変えようと思ってないということなのでは。本当に変わるのは維新の志士のように皆が必死になるときではないでしょうか。
サリン作って、炭疽菌作って、自分たちも死ぬ思いをして、死ぬ恐怖を抱えて革命しようと思った妄想で狂ってる人間たちから見ると、「なんだよ、まだデモしかやってないんでしょう」って。「それで変われるわけないじゃん」って。もともとデモぐらいの努力で変えられるものだったら、オウムも選挙で勝ってたろうし。
だから、「どうしたら今の政治が、国が、変われるのか」という話を聞くと、私は、「本当に皆、変わりたいのかな」と違和感を覚えるのです。そしてもし、その本音が、長い地道な努力の積み重ねではなく、誰かに委ねて楽に変わりたいということならば、それはオウムのように危険だなと。

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「週刊プレイボーイ」2012年7月16日号より抜粋

この発言に対するネット上の反応は賛否両論。
「つまりテロをしろってことか」「いやいや無差別テロとデモを比べるなよ」と批判の声がある一方で、「正論だな」「確かに心の底から原発再稼働に反対しているのはごくわずかだと思う」「でも実際デモだけじゃ何も変わんないよね テロぐらいしないと響かないよ平和ボケしてるし」と共感する声も見られました。

そして、もうひとりは、神戸大学大学院国際協力研究科の木村幹教授。
木村教授が先月29日にTwitterでつぶやいたデモに対する見解は、多くのネット住民の共感を呼んでいます。
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「相変わらずTLはデモで持ち切り、という感じ。さて、デモの拡大はどういう政治的インパクトを与えるのだろう」
「素朴な疑問。反原発デモの人達は、どうして夕方にはじまり所定の時刻に解散してしまうのだろうか。勿論、法的規制があるのはわかるけど、例えば安保の時見たいに、昼間に国会を包囲したり、霞ヶ関の路上を占拠して官庁街の機能を止めたりすることを考えないのだろうか。ちょっと不思議」
「秩序よくシュプレヒコールを繰り返して定刻に解散するデモ隊が、どの程度政権に対して圧迫感があるのだろう、と思ったりします。理論的な関心ですけどね」

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木村幹教授のTwitter(@kankimura)より抜粋

2人に共通するのは、「今、行われているデモで政治を変えるのは難しい」という視点。
デモが盛り上がっている今、水を差すようで言いにくいのですが、これにはわたしも同感で、また多くの人も密かにこう思っているのではないでしょうか。


今、広がるデモの特徴は「暴徒化せず、整然と言葉で抗議している」「非暴力で安全」。
「時代の新たな意思表示」といった表現を使って、持て囃されつつもあります。

しかし、デモの声を聞く側の野田総理は先々週の金曜、官邸前で行われているデモについて「大きな音だね」と警護官に語り、先週金曜には「多くの声、さまざまな声が届いております」と取ってつけたように語ったといいます。
そして、最大の焦点となっている大飯原発は、あっけなく再稼働。

日本で規模的には拡大しているデモ。行儀よく始まり行儀よく解散する、今の形のままやり続ける意味はあるのでしょうか。
野田総理のこうした態度を見るにつけ、やり続ける意味を見つけることは難しいように思えてしまいます。

高い志を持ってデモに参加している人たちを否定する気は一切ありません。
ただ、ゴールが見えぬまま、デモへの参加を煽る風潮に違和感を覚えてしまうのです。


<web担当:H>
(2012/7/10 UPDATE)

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