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DAILY NEWS

【境界線を見つめて】Vol.12「“パンダの赤ちゃん死亡会見”に感じる違和感」

番組スタッフ
久々の明るいニュースだった、「パンダの赤ちゃん誕生」
生後一週間で赤ちゃんは死んでしまい、
残念な気持ちになった人も少なくないはず。

テレビでは、パンダ死亡のニュース速報が流れ、
その後、上野動物園の園長、副園長、動物病院係長が揃って緊急会見を開催。
同日、旗揚げをひかえていた“小沢新党”が霞むほどの大騒ぎになりました。

しかし、その緊急会見が、パンダが可哀想…というより、
もはや上野動物園の園長が可哀想…という
おかしな空気になっていたのをご存知でしょうか?

●上野動物園長はなぜ涙を見せたのか パンダの死「40分記者会見」の異様
/J-CASTニュース 7月12日

会見場に集まった記者は総勢50名ほど。
赤ちゃんパンダの死因について、厳しい意見や質問が飛びかったそうです。

そこで、どのくらい異様だったのか?と、
ニコニコ動画で生中継された会見の模様を改めて見てみたところ、
まるで、東電会見のような重い空気。その一部をご紹介します。

まず記者からの質問も、死因については…

「事故ではなく過失という可能性はないのか?」
「母親の元に戻したという判断は正しかったのか?」
「乳を詰まらせないように対策はできなかったのか?」


また“24時間体制で赤ちゃんを監視していた”という点について…

「どれくらいのペースで見るものなのか?」
「『何分に何回見なきゃいけない』とか、そういうマニュアルはないのか?」


…などなど、まるで“詰問”のような質問が飛び交いました。

この会見を視聴したニコニコユーザーのコメントは…

「騒ぎすぎ」
「パンダ>小沢www」
「動物園が悪者みたいになってるな」
「これは平和ボケではない。異常だ」
「もう熊に色塗りゃいいじゃん」
「やめたげて…」


…と、会見のあり方を疑問視する感想が、多数寄せられていました。

会見場で繰り広げられる激しいやりとりと、
冷静な反応で見守る視聴ユーザーとの間に生じた“温度差”。
この差こそが、震災以降に広がってきた
“マスコミへの不信感”そのものだと私は思いました。


確かに動物の赤ちゃんが死んでしまうのは悲しいですし、
“絶滅の危機に瀕した貴重な動物”という観点もあるのですが、
人間が死んだわけではありません。

その一方で、国内に問題が山積みということは、記者の方々も御存知の通り。
“野生のパンダの約半数が、生後一週間前後で死亡する”という
専門家の意見まで報じられているなか、
「過失の可能性は?」とまで問いただすことに、何の意味があるのでしょうか?


“パンダ急死会見”の報道が「アリ」か「ナシ」かの境界線。
これ完全に、「ナシ」だと思います。


ちなみに、和歌山県・南紀白浜アドベンチャーワールドでは、
既に12頭のパンダの繁殖に成功しているそうです。
2010年8月に生まれた双子のパンダ「海浜」ちゃん「陽浜」ちゃんも、
すくすくと育っているとのこと。

上野動物園の赤ちゃんパンダの死に落胆された方は、
和歌山まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

担当:梅木
(2012/7/16 UPDATE)

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