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都市と地方、大企業と下請け、カタギとヤクザ…。本作は、そんな似て非なる表裏一体の闇を描き出したルポルタージュ。

2011年12月15日、著者は日本外国特派員協会主催の記者会見に出席し「事故直後の東電は、下請け各社に“死んでもいい人間を集めてくれ”と指示していた」と暴露し話題となったが、本作の主題は“東電バッシング”ではなく、別のところにあると私は思った。

それは、東電が「死んでもいい人間を集めろ」と言わなければ、原発で働く人たちが、自ら集まってきてくれるのか?ということだ。

「死んでもいい人間なんていない」「東電は人間を捨て駒にする悪徳企業だ」と攻め立て、あまりにも酷い環境で作業をする人たちを「英雄」と祀り上げることはとても簡単だ。しかし、東京で暮らしてきた以上、私自身も含め、多くの人が原発からの恩恵を受けてきたわけであり、今も尚、原発作業員達がいるおかげで、まぁまぁ正常な暮らしが出来ている。

もちろん、東電に責任が無いと言うつもりはない。原発賛成と万歳三唱するわけでもない。しかし、はるか彼方から「放射能が危ない」とか「原発を止めたら経済に打撃が…」とかを語る前に、ぜひ一度、この作品を読んでいただきたい。同じ日本人として、人間として、彼らが置かれている現状を知ることは、私たちの礼儀だと思うから。


(評者:タイムラインスタッフ 梅木みどり)



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(2012/7/26 UPDATE)

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