Transform for The Next ~プロフェッショナルのあなたに~

これまでの「働き方」に大きな変換を求められる今、
私たちは、どう働き・・・、そして、どうキャリアを積んでいけば良いのか?

フィールドの異なる、これからの日本の未来をつくるトップランナーたちが、
ここに集い、自らの「キャリア」を通し、価値観、哲学、そして夢など語り合う
その言葉の中に、その描く「未来」が見える。

変革期の今、明日への未来へ一歩踏み出すため、
あなたの「可能性」を見つけてください。

Interview

多田洋祐ビジョナル株式会社 取締役 兼 株式会社ビズリーチ 代表取締役社長

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  • 吉田
  • 吉田:多田さんご自身も転職を経験されているということですよね?
  • 多田
  • 多田:そうですね。
  • 吉田
  • 吉田:転職先で社長に就任されるわけですが、当時、社長になることを予想されていましたか?
  • 多田
  • 多田:さすがに、それは思っていなかったです。こういったグループ経営に移行すること自体も想像していませんでした。
  • 吉田
  • 吉田:社長に就任されたことで変化はありましたか?
  • 多田
  • 多田:私にとっては、すごく良い変化がありました。社長ということで、当然、社会からの見られ方が変わることはあると思います。そしてなによりも、会社経営において自身が(決断する機会が増えました)。もともとは、取締役として事業を見ていたのですが、これまではどこかで “社長が決めてくれるだろう”という甘えが少なからずあったのだと思いました。

    実際に自分が(社長に)なって感じるのは、(取締役として事業を見ていたときは)“自分で決めなくてもいいな”って思っていたものが、今度は自分で決断する機会が出てくるんですね。そういう意味では、自分のなかで1つ視座が上がったというか、視界が広がって考えること自体、変わっていったなと思います。
  • 吉田
  • 吉田:そんな人材採用・活用のプロである多田社長に、今日はいろいろとアドバイスをいただきたいと思っております。

    まず1つ目の質問です。コロナ禍で見通しが立たない状態かと思いますが、2021年、人材市場の動向は?
  • 多田
  • 多田:たとえば、「求人倍率」と言われる、求職者1人あたり何件の求人があるかを示すものが、コロナ前まではずっと上がり続けていました。1.6倍とか、職種によってはもっと多いところもありました。求人倍率は、不景気と言われる状況になると減っていくので(コロナ前と現在を比較すると)相対的に減っています。
    ちなみに、13年ほど前に「リーマンショック」と言われた不景気の時代がありましたが、そのときに比べると求人倍率は全然高いです。当時は高いときで1倍と少し、リーマンショック後で0.5倍を切ることもありましたので、2人に1つの求人しかないような状態でした。

    (コロナ禍でも)現在は、いまだに1倍を超えています。当然、業種によっては大きな打撃を受けているところもあると思いますが、全体感で言うと1人1件以上の求人があるという意味では、企業側のニーズはとても活況です。

    一方で、今回のコロナ禍で本当に多くの企業様が従業員の方との契約を終わらせたり、そういった話が進んでいるなかで言うと、人材の流動化は、より本格的になっていくのではないかなと我々は捉えております。
  • 吉田
  • 吉田:コロナ禍でも中途採用市場はそこまで停滞していない状況で、今後は(中途採用市場の)拡大も見込めるということですか?
  • 多田
  • 多田:はい。コロナの影響に関わらず、今後、中途採用市場が拡大すると考えられるポイントは4つあります。

    1つ目は、人手不足による有効求人倍率の上昇です。労働人口が減り続けているなかで求人倍率が上昇し続けていたところにコロナの影響がありましたが、結局、高止まりをしています。

    2つ目は、そもそも人手不足であるということ。(国内の生産活動を中心となって支える)「生産年齢人口」と言われる団塊の世代、団塊のジュニア世代の年代が上がっています。人口のピラミッド上、その新陳代謝を上げるために、企業は若手の採用を進めなければなりません。

    3つ目は、政府による中途採用・経験者採用の推進です。政府自体が「(定年まで)1社で勤めあげましょう」というより、どちらかと言えば「中途採用・即戦力採用をどんどんやっていきましょう」と企業に推奨しています。

    4つ目は、海外と比較した際、日本は雇用の流動性が低く、転職回数が少ないのが現状です。そもそも転職回数が低いということもありますが、勤続年数1年未満の人口割合をドイツやアメリカで見てみると、ドイツで(日本の)約2倍、アメリカでは約3倍となります。今後は、日本も雇用慣行が変わっていき、転職回数もより増えていくのではと思っています。
  • 吉田
  • 吉田:日本でも、このコロナ禍で多くの企業がリモートに切り替えたり、働き方が変わったことによって、転職は割と盛んになりましたか?
  • 多田
  • 多田:そうですね。実際、我々の「ビズリーチ」には100万人を超える会員の方が登録されているのですが、今回のコロナが起こったあとに(とったアンケートでは)「企業に依存せずに主体的なキャリア形成が必要だ」と考えていると回答した方が9割を超えていました。

    こういったデータを見ても、今回のコロナで危機感をつのらせている方は多いのではと。コロナ禍で急にリストラがあるような現状を見ると、常に主体的にキャリアを形成して、どこにでも通用するスキルや経験を身につけることで、どんな状況でも自身がなりたいキャリアを実現したり、きちんとした稼ぎが得られるような状態を作ろうという危機感は、間違いなく個人の方(フリーランスの方?)にはあると思います。
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